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宇江佐真理「君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話」

2022年05月02日 | あ行の作家


文春文庫
2008年 1月 第1刷
2018年11月 第9刷
解説・諸田玲子
320頁

髪結い伊三次捕物余話シリーズ第6巻

「妖刀」「小春日和」「八丁堀純情派」「おんころころ…」「その道 行き止まり」「君を乗せる舟」

人智では測り知れないもの、欲や執念に突き動かされる人の業、命、運を考えさせられる「妖刀」
伊三次が息子・伊与太が重病に罹り、息子の死に怯え、狼狽え、弱さをさらけ出す「おんころころ…」
惚れた女に思いを打ち明けられない無骨者の武士を応援しようとするお人好しの人々「小春日和」

他の3編は元服後、同心見習いとして出仕した不破龍之介改め龍之進の成長物語です
表題の“君”は第4巻「さんだらぼっち」で登場した龍之進の初恋相手のことでした
嫁に行く“君”を乗せる舟になりたかったと伊三次に語る龍之進
お文が、20歳の龍之進、25歳の龍之進が楽しみだ、と話します
伊三次たちが年を取り、幼い者たちが成長する未来はそう遠い時間ではなく確実に訪れる時間なのでした

伊三次とお文がすっかり夫婦らしくなりました
伊与太の成長も楽しみです
次巻も早く読みましょう^^



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