光文社文庫
2011年7月 初版1刷発行
2011年8月 2刷発行
解説・大森望
230頁
いきなり文庫化!とくれば買うでしょう
超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー5編
「雪娘」
雪の降る夜、久し振りに集まった同級生
誰もが思いながら口にする事が出来ない昔の出来事
最後に一気に恐怖が押し寄せます
「オモチャ」
商店街を舞台にしたおもちゃ屋にまつわるゴースト・ストーリー
幽霊譚も人の噂話だったのか、と思わせておいて最後の5頁
商店街に空き地があったら思わずじっと見てしまいそうです
「チヨ子」
スーパーで着ぐるみを着てイベントの手伝いをする女性
着ぐるみを着ると周囲の人間がぬいぐるみのクマやガンダムやターボレンジャーに見える
かぶりものを取ると普通の人間にしか見えない
その不思議な現象が何かわかってきて、ホンワカ優しい気持ちになれました
中には、姿はそのままで「暗いもの」を背中にくっつけただけの人もいるのですけどね
「いしまくら」
公園でみつかった他殺死体
被害者の女性について語られる様々な噂話
公園にその女性の幽霊が出るという噂話も広まる
その噂話が別の殺人事件の犯人逮捕に繋がる
人は見たいものを見る
外界を見ているつもりでも結局は自分の心の内側を見ているだけなのだ
事件ものの短編版、宮部テイスト満載です
「聖痕」
テーマは神
子供にかかわる事件を主に扱っている女性調査員が依頼されたのは都市伝説の一種のように思えるネット世界でのこと
神、ユダ、救世主、預言者などが出てくるサイトが一人の青年を死に追いやる
宮部さんの作品の中で、こういうのは苦手です
途中で止めようかと何度も思いましたがなんとか読みました
宮部さん何冊か読んできましたが、どちらかというと時代物のほうが好きかな、と思うこの頃
現代物なら「蒲生邸事件」のようなのが読みたいです
穏やかであったかい話でしたね
私もこれ、1ヶ月ほど前に読みました☆
感想は書きませんでしたが、面白かったです。
娘が、借りて来たのを、横から拝借したの。
ぬいぐるみのかぶりもの・・・の話が、一番好きかな~。