ドストエフスキー「鰐」

ドストエフスキーは最初から「ユーモア作家」だった！

9通の手紙からなる小説
他人の妻とベッドの下の夫
いまわしい話
鰐

4編が収録されています

滑稽だなぁ
一番読みやすかったのは
表題作「鰐」
ある男が鰐に呑み込まれたのにその腹の中でピンピンしていて外の世界の人々に話しかけ続ける
という奇想天外なお話


ユーモアといっても
昨今の軽々しいユーモアを期待すると最初の数ページで棚に戻されるか古本屋行きになるでしょう

卑俗な言い回しと崇高な理念のグロテスクな混淆
道化的でナンセンスなくどくどしさ
登場人物が集合してカーニバル的な様相を示す劇的な議論の場

これらのユーモアは
罪と罰
カラマーゾフの兄弟
に受け継がれているそうです
違う角度からこれらの代表的長編を再読するのもよいかもしれません
しかし
読了まで何年かかるかわかりません