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吉川トリコ「光の庭」

2024年02月17日 | や・ら・わ行の作家


光文社
2016年2月 初版第1刷発行
296頁

地方に暮らす仲良し5人組は高校卒業と同時にそれぞれの道を歩みます
大学受験に失敗し、ぶらぶらしながら孤独を感じていた三千花
東京の大学を卒業後、ライターとなりますが挫折して地元に帰ってきた志津
短大を出て、母の言いなりで市役所に勤務する麻里奈
奔放な美人で社長と結婚した後も不倫の日々をブログに綴る理恵
20歳でできちゃった婚をし、3人の子供を育てながらネット中毒になった法子

成人式の2日後、三千花が少年グループに拉致され、バラバラ死体で発見されます
16年が経ち、地元に戻った志津は「三千花に何が起こったのか」をテーマにルポを書こうと、口を閉ざしていた友人たちに取材を始めます


「私ね、思うんだけど、友だちって密に連絡をとりあって、ずっとそばにいればいいってもんでもないんじゃないかな。若い時はさびしさに負けてわからなかったけど、いまならわかる。どっかで無事に生きててくれるだけでいいなって。普段は私のことなんか忘れていいんだ。どうせこっちも忘れてるから。だけど、必要な時に思い出してくれたら嬉しいし、こっちもそうしたい。それだと都合良すぎるかな?」

36歳でようやく悟った?ですけど、あまりに濃密な高校生活を送ったゆえかな
高校時代の付き合いが一生続くはずはなく、自分を顧みると他の仲間が眩しく見える、なんてよくある話
地方都市に暮らす彼女たちの心情は理解できます
だから読んでいて辛かったしラスト3頁が哀しかったです

いつものトリコ節でワイワイガヤガヤいくのかと思ったら珍しくミステリー要素が含まれていて面食らいました
こういう作品は湊かなえさんなら納得ずくで読めるのですけど吉川トリコさんでは読みたくないです
表紙カバーの女の子たちが怖い…





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