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福永武彦「愛の試み」

2010年04月18日 | は行の作家
3度目
再々読になります

初めて読んだのは20歳の時
2度目は多分24歳の頃でしたでしょうか
そして今、?歳

「愛」「孤独」「エゴ」「理性」「快楽」などについてのエッセイ
若かった頃は観念としてしか捉えることが出来ず理想でしかなかった内容も、今なら冷静に、現実に照らし合わせて読むことが出来ます

挿話として併録されている9編の掌小説
エッセイ部では理解し難い内容が挿話によって解りやすくなっています
例えば
「砂浜にて」
20年前、ひと夏を過ごした港町で出会った彼女に恋をした学生
些細なことで口喧嘩をし2度と会うことの無かった相手
どうして彼女に嫌われてしまったのだろう
という思いを抱き続けていた男は再び港町を訪れてやっと気が付く
彼女は自分が愛する以上に自分のことを愛していたのだ
口癖のように嫌いと言ったのは好きだということの裏返しの言い方だった
何という自分は馬鹿だったのだろう

好きな相手にこそ「嫌い」と言ってしまう



愛に悩んでいる方にお薦めしたい一冊です

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