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島本理生「よだかの片想い」

2022年01月27日 | さ行の作家


集英社文庫
2015年9月 第1刷
2019年6月 第4刷
解説・瀧井朝世
246頁

生まれつき顔にあるアザに劣等感を持ち、あえて地味に生きてきた前田アイコ、24歳
理系の大学院で研究一筋の生活を送っています
ある日、顔にアザや怪我のある人のルポルタージュ本の取材を受けたことで彼女の日常は一変
その本が映画化されることになり、監督の飛坂と対談したアイコは自分の顔を肯定的に受け止めてくれる彼に惹かれていきます
24歳にして初めての恋
ですが、女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがわからず暴走したり妄想したり…
一途な彼女の初恋の行方は?

序盤、小学校時代に琵琶湖の授業で男子児童が「前田のアザみたい」とからかったのに担任教師が「ひどいことを言うな」と叱った、というエピソードがありました
それまでアイコにとってアザはコンプレックスでもなんでもなかったのが突然にして恥ずべきものになってしまったのです
その後は他人の目を気にしながら生きてきたアイコですが家族からは大事にされていて芯はしっかりしたものを持っています
そんな彼女が、職場の事故で大火傷を負い顔に跡が残ってしまった大学院の先輩とのやり取りを通して気づいたのは、自分が顔のアザを盾に周囲を色眼鏡で見ていたことでした
周囲が自分を、と同時に自分も周囲を、だったのですね

飛坂との恋は成就しませんでしたが、彼との日々から学んだことは多く、彼女は新しい道を歩き始めるのでした

島本さんで初めて◎作品に出会えました
相性が悪いと諦めずトライして良かったです
今年、松井玲奈さんと中島歩さんで映画公開とのこと
フォトギャラリーを見ましたが原作の良さが生かされているようで楽しみです


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