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宇江佐真理「我、言挙げず 髪結伊三次捕物余話」

2022年09月10日 | あ行の作家


文春文庫
2011年3月 第1刷
2022年1月 第8刷
解説―匂いたつ心の色 島内景二

髪結伊三次捕物余話シリーズ第8巻

「粉雪」「委細かまわず」「明烏」「黒い振袖」「雨後の月」「我、言挙げず」

本書でも不破龍之進の著しい成長ぶりがうかがえます
では、主人公の伊三次は影が薄くなってしまったのかというと
決してそのようなことはなく龍之進の助言者として、お文の夫として、伊与太の父親として、きちんとその立場を守っています

お文がお座敷で仕入れてくる情報が伊三次の探索に役立つのはご愛敬でしょうか

風変わりだったのは「明烏」
お座敷帰りのお文がたまたま占い師にみてもらったことから始まる不思議な話
伊三次の収入が安定しないため年増芸者として座敷に出なければならないお文が心の内に抱える鬱屈が見せる切ない“夢”に泣かされました

島内さんの解説に、ペリーの黒船が来航するのは、伊三次が70歳の頃、とあります
伊三次が黒船を見たらどれほど驚くでしょう
不破龍之進はどのように明治を生きたでしょう
宇江佐真理さんにはもっともっと長生きしてその頃の伊三次まで描いて欲しかったです
でも、そうなると捕物余話ではなくなってしまいますネ


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