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おうち映画(海外)を5本

2020年09月20日 | 映画(海外)
「ジュピターズ・ムーン」
原題 JUPITER’S MOON
2017年 ハンガリー、ドイツ
【ムービープラス】

父とともに祖国シリアを逃れハンガリーを目指す少年アリアン(ジョンボル・イェゲル)は、混乱の中で父とはぐれ、国境を越えようとしたところを銃撃されてしまいます
瀕死の重傷を負ったアリアンは難民キャンプで働く医師シュテルン(メラーブ・ニニッゼ)の元へ運び込まれ診察を受けます
死が間近と思われたアリアンが息を吹き返し重力を繰って浮遊するのを目の当たりにしたシュテルンは、過去に医療ミスで患者を死亡させたことで大金を必要としていることから、彼の能力を金儲けに利用しようとアリアンを連れて難民キャンプを後にします
しかし、難民銃撃を隠蔽したい国境警備隊が彼らを執拗に追跡します

彼らの逃避行を、移民問題、人種差別、テロという社会問題を絡めながら圧倒的な映像表現で描きます
アリアンが重力を繰るシーンは、自由に好きなように素早く、ではなく慎重にゆっくり、です
アリアン自身、自分の力に戸惑いながらも使いこなせるようになっていく様が新鮮ですし、歴史的建造物の多いブダペストの街をバックに浮遊するシーンは実に美しいです

浮遊するアリアンに祈りを捧げる老女がいたり、アリアンの父親の職業が大工であることなどから彼を神と見なしているのかも、と思わせる会話が端々にありますが宗教に関心の薄い私にはピンときません
さらに、ラストのカウントは何なのか、キリスト教に関連しているのかどうか
これもさっぱりわかりませんでした
思い出せば不安げな表情を見せながら浮遊するアリアンばかりが印象に残る不思議な作品でした
        




「ラースと、その彼女」
原題 LARS AND THE REAL GIRL
2007年 アメリカ
【シネフィルWOWOW】

雪が降り積もる田舎町に暮らす優しくて純粋だけれど内気で人付き合いが苦手な青年・ラース(ライアン・ゴズリング)
両親は他界しており兄夫婦と同じ敷地内に独りで暮らしています
ずっと彼女がいないこと心配して何かと世話を焼いてくる兄夫婦に「彼女を紹介する」とビアンカという名の女性を連れてきます
しかし、ラースが連れてきたのは生身の人間ではなく等身大のリアルドールでした
リアルドールとの恋愛に没頭するラースと彼を取り巻く人々の人間模様を温かい視線で描きます

普通だったら気味悪がって避けるのではないかと思いますが、町の人々はビアンカをラースの恋人として受け入れます
少しずつ他人との関係を構築していくようになるラース
そうなるとリアルドールの存在は不要となるわけでラースの中でビアンカは病死となります
葬儀でビアンカを送る司祭の言葉「ビアンカは我々の勇気を試した」だったかな
上手い表現をするものです
ラースを思いやる田舎町の温かさが心に染み入る作品でした
        




「ガウダ爺さんのお葬式」
原題 THITHI
2015年 インド
【Netflix】

インド南部の村で100歳超の老人が亡くなりお葬式が行われることになります
自由人の息子は自分は無関係と言わんばかりでお葬式のために奔走する羽目になったのは遺産を狙う孫
そこに女の子に弱いひ孫が関わってきて、大騒動です
無事にお葬式は執り行われるのでしょうか

少し前、NHKBS1の海外ドキュメンタリーでインドのお葬式の悪習を取り上げた番組を見ました
まさに本作にドンピシャ
とにかくお金がかかるため、女の子が身売りするなどということもあるらしく、活動家が考え方を変えるように説得して回りますが悪習の根絶には至っていません

日本の冠婚葬祭に対する考え方もかなり変わってきましたが、やはり昔ながら、という人も多いかと思います
私、葬儀は家族のみ、遺灰は宇宙へ飛ばしてもらいたいと娘に話してあるのですがやってくれるかなぁ
空を見上げればどこかに私がいるし、時が経ったら衛星が落下して地球に戻るのって石のお墓の下に仕舞われるより素敵じゃない?
        




「少年は残酷な弓を射る」
原題 WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN
2011年 イギリス
【シネフィルWOWOW】

強い悪意と執着心を抱く息子とその母親の関係を緊張感たっぷりに描く人間ドラマ

作家のエバ(ティルダ・スウィントン)は子どもを授かったことでキャリアを捨て母親として生きる道を選びます
生れた息子・ケビンはエバに懐くことはなく反抗を繰り返すばかりで悩みの種でした
やがて美しい少年へと成長したケビン(エズラ・ミラー)は益々反抗心を強めていき、ついにとんでもない事件を引き起こします

エバの心の中に子どもより仕事を選びたかったという思いがあるが故の親子の確執かと思いましたが、それだけではなくケビンの生まれ持った性格も影響したようです
エズラ・ミラーが醸し出す狂気、不穏な空気がものすごくて息苦しさが続く2時間弱
辛かったけれど美少年から目が離せませんでした
許せない事件を起こしたのだけれど、その狂気すら許されそうです
邦題から母親に対し精神的な打撃を与える内容だろうと思ってはいたものの、予想を遥かに上回る残酷さに降参でした
        




「シンドバッド七回目の航海」
原題 THE 7TH VOYAGE OF SHINBAD
1958年 アメリカ
【シネフィルWOWOW】

婚約者であるチャンドラ王国の王女・パリサ姫と共に帰途の航海中だったバグダッドの王子・シンドバッドは食糧補給のため海図にない島へ上陸、そこで黒魔術師・ソクラが怪物に追われていたところを救出し一緒にバグダッドへ戻ります
怪物が持っている魔法のランプが欲しいソクラは謎の島への再航海を訴えますが危険と判断したシンドバッドに断られます
そこで黒魔術でパリサ姫を小人に変えてしまい、元の姿に戻すためには島に行かねばならないと訴え、まんまと再航海への旅へとシンドバッドを諮ります

島で怪物や骸骨剣士と闘うシーンは時代が時代なので古い特撮技術ですが、自分の子供時代を思い出して楽しかったです

勧善懲悪ものは、強引なところもありますが安心して観ていられますね
        



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