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中島京子「平成大家族」

2020年02月26日 | な行の作家
集英社文庫
2010年 9月 第1刷
2018年11月 第7刷
解説・北上次郎
309頁

72歳になる緋田龍太郎
15年以上引きこもり生活を続けている30歳の長男・克郎が気にかかるものの、妻・春子と介護が必要な春子の母・タケと悠々自適の隠居生活を送っています
ところが、そこに長女の逸子一家3人が転がり込んできて龍太郎の平穏な暮らしが脅かされ始めます
逸子の夫・聡介が事業に失敗し自己破産、中学生になる一人息子のさとるも有名私立中学を辞めさせられたこともあり精神不安定で気が気ではありません
さらに大阪で暮らしていた次女の友恵が離婚して戻ってきます
それも妊娠中、元夫の子ではないというのです
あれよあれよという間に4人から8人暮らしになった緋田家
元々敷地内に2軒の家が建っており狭くはない緋田家ですがやはり倍の人数になれば決して広くはなく、様々な問題が生じます

物語は各人が語り手となる形で進みます
これが進むにしたがって、各人のキャラが浮き上がってきてどんどん面白くなっていくのです
ダントツは克郎、次が聡介でした
そしてラスト、龍太郎が家族の小説を書こうとするのですが、一家を取り仕切る家長である自分が家族のことを何も知らないという事実に気づき、結局小説を書くのを止めてしまいます
家長なのに持っている情報が少ないという平成の時代らしい大家族の物語
中島京子さん、お見事でした



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2 コメント

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偶然? (todo23)
2020-02-26 16:27:33
つい最近、昔からの友人もこの本を読んだと書いていました。もう10年以上も前の作品なのに、なんで立て続けに?

私が読んだのは2010年。一昔前w
当然忘れているので、自分のレビューを読み直してみると。。
同じようにキャラ設定で受けてますね。
もっとも気に入ったのは龍太郎で次に克郎、こにさんの「ダントツは克郎、次が聡介でした」とは違うようですが。
でも、楽しい作品でした。
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todo23さん (こに)
2020-02-27 14:04:03
お邪魔してきました。
そうそう、読み始めは緋田家の状況が悪くなっていく一方でした。盛り返してきたのは龍太郎が倒れたあたりからでしょうか。
聡介の話は主人と被るところがあって入れ込んでしまいました。会社を経営しているのですが自己破産まではいかなくても辛い時期があったので…今は再起して頑張っています^^
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