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平安寿子「しょうがない人」

2019年01月15日 | た行の作家

 

中公文庫
2015年1月 初版発行
解説・小島慶子
299頁

  

「私はいつも誰かに振り回される」と嘆く河埜日向子、43歳、主婦
実家の相続や姑との同居、娘の反抗期、理解し合えない夫
次から次に降りかかってくる災難を互いに慰め合うためパート仲間と今日もしゃべりまくる
何歳になっても女の行く先は険しい…

 

連作短篇集です
登場人物たちは皆、いつかどこかで接触したことのある誰かさんみたい、今付きあっている誰かさんみたい、そして誰よりも“自分自身”でした
日向子が持つ二面性、心に抑圧を抱えながら人間関係を壊さないよう外面に苦心するところなんて、ほら、あなたもあなたも心当たりがあるでしょう?
読み終えて、気分爽快とまではいかないけれど、気持ちが軽くなっているのは確か
平さんの作風は奥田英朗さんに似ていると思うのですが、奥田さんほど読者に救いの手は差し伸べてくれません
そこが平さんの良いところ
自分で考えて自分で何とかしなさい!って言われているみたいでニンマリ笑ってしまうのです

 

 


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