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映画・再会の食卓

2011年03月06日 | 映画(海外)

 

原題 APART TOGETHER(團圓)
2009年 中国
 
 
1949年2月、内戦のため結婚一年で上海と台湾に離れ離れになってしまった妻・ユィアーと夫・リウ・イエンション
リウが40年ぶりに台湾から帰ってくるという手紙が届く
しかしユィアーには既に新しい家族がいた
現夫・ルー・シャンミン、リウとの息子、二人の娘、二人の孫
 
台湾妻を3年前に亡くした元夫リウは老い先の短さを考え、ユィアーを台湾に連れ帰るつもりで上海にやってきたのです
直ぐに台湾に行きたいと言うユィアー
あっさりとそれを認める現夫ルー
猛烈に反対する次女
我関せずを押し通す長男
 
ユィアーにとって、幸せだったのはリウと暮らした短い日々だけ、ルーとの日々はただ生きるためだけのものだったのです
 
まずは
家族がバラバラになっていいのか、国民党軍兵士の妻だったユィアーの面倒を見ることで冷遇され文革の時代には辛酸をなめた年老いた夫と、私たちを捨てて、たった1年だけ共に過ごした男の元へ行くのか、とユィアーに迫る次女の意見に共感しました
 
金銭面での償いはするというリウに、そんな端金では今の上海ではトイレも買えやしない、とまくしたてる次女の夫
 
しかし
物語が進むにつれ、そうでもないのか、と思い直し始めました
 
レストランで家族とリウ皆で食事の最中、酔っ払ったルーが本音を語ります
その声がうるさいと他の客と喧嘩になり、興奮したルーは軽い脳梗塞を起こして病院に…
 
 
ルーはユィアーの本心をずっと知っていたのでしょう
リウが上海にやってくると聞いた時から覚悟していたのだと思います
内戦とその後の厳しい時代を共に生きたリウやユィアーとは同志であり、若い世代には絶対に理解出来ない経験を共有した戦友だったのです
 
度々、家族で囲む食卓が映されます
中国人の食事マナーにはどうしても馴染めませんが、料理はどれも美味しそう
乾杯を繰り返し礼を尽くす仕草には中国の歴史と家族の絆を感じます
 
リウが一人で台湾に戻って一年後
移転補償金を元手に新築マンションに移り住んだルーとユィアー
祝日にテーブルいっぱいの食事を用意して子供たちの訪問を待つのですが皆都合が悪いといって訪ねてきません
昔は皆で食卓を囲んだものだ…
 
 
設定は1990年頃ですが、映像は2009年の上海です
高層ビルが林立しリニアモータカーが疾走
古い住宅地は再開発のため取り壊され高層マンションの建設ラッシュ
驚異的な発展を遂げる時代を享受している娘や孫たちと、ひとつ前の世代のギャップも描いています
 
 
余談
近未来都市のような上海
5年ほど前にはあの大都会に行ってみたいと思っていたのですが
この映画を見て、全くそんな気持ちが無くなってしまいました
自分も、昭和を懐かしむような、ひとつ前の世代の人間なのです
 
 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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食卓。 (BC)
2011-03-06 15:29:01
こにさん、はじめまして。
~青いそよ風が吹く街角~のBCと申します。
トラックバックありがとうございました。(*^-^*

>祝日にテーブルいっぱいの食事を用意して子供たちの訪問を待つのですが皆都合が悪いといって訪ねてきません
昔は皆で食卓を囲んだものだ…

この夫婦に色々あったからというだけではなく、
子供達の生活基盤が変化していく中で
何気に疎遠になってしまうものなのでしょうね。
返信する
BCさん (こに)
2011-03-07 18:44:30
初めまして
こちらこそ、コメント&トラバありがとうございます

あの年齢で高層マンション暮らしってどうなんでしょうねぇ
核家族化とか、独居老人の孤独死とか中国都市部も日本と同じでどんどん増えているのでしょうか
返信する
幾度も・・・ (Julien)
2012-01-30 21:45:32
TBをありがとうございます。
御無沙汰をしておりまして、何を今頃、と笑われそうです。
映画は、シネコンももちろんですがミニシアターにもよく出かけています。
ミニシアターにはいい作品がことのほか多いようです。見た作品を全部投稿できなくて残念です。
まだ記事にしていませんが、最近一番良かった作品では、「灼熱の魂」です。近く投稿させていただく予定です。

文学散歩は、神奈川近代文学館、鎌倉文学館などへ足を運んでいます。
読書は、いまは、恥ずかしながら源氏物語の幾度目かの再読と深読みを心がけ、原文の深みをじっくりと味わっているところです。
これからもよろしくお願いいたします。
返信する
Julienさん (こに)
2012-02-02 21:08:43
訪問&コメントありがとうございました。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
返信する

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