ギルのヘヴィ-メタル、プログレ系音楽室

ヘヴィ-メタル、プログレ系、ハ-ドロック等、幅広く音楽CDの感想を書きます。

ポップでキャッチ-なプログレハ-ド

2006年03月30日 | Weblog
YARGOS / TO BE OR NOT TO BE (2005)

To Be Or Not To Be

オフィシャルHP
5曲試聴できます。

評価8/10

THRESHOLD、RUNNING WILD、HUMAN FORTRESSで
活躍したメンバー在籍のNewバンド。

THRESHOLDのフロントマン、Andrew "MAC" McDermott.率いる新しいプログレロックプロジェクト。プログレロックと言ってもここにある音楽は70年代後半~80年代前半に隆盛を極めたメロディアスでキャッチ-な産業ロックを思わせる。オフシャルで試聴できる音源を聞いていただければいかに馴染みやすい音楽か理解してもらえるはずだ。明るい音色を奏でるキ-ボ-ドの装飾がちょっと派手目のサウンドなのだが、ポップでキャッチ-、ハ-モニ-満載の楽曲群に思わず微笑みたくなる。アルバム中盤には若干シリアスな感じの力の入った楽曲もあり、多彩で飽きさせない。もちろんプログレらしさも嫌味がない程度にちりばめ、うまくアルバムをまとめている。捨て曲等も見当たらず、出来の良い楽曲群は見事。産業ロック、ACT好きは要チェック。

今改めてOPERATION: MINDCRIMEを聞いてみた

2006年03月29日 | Weblog
Queensryche / OPERATION: MINDCRIME  1988年 3rdアルバム。

オペレーション:マインドクライム

評価7.5/10

オフシャルHP

70年代後半にピンクフロイドのザ・ウォ-ルが世界中で大ヒットし、プログレ全盛第2期が到来すると思ったが、以降大御所プログレバンドの空中分解が続出し、プログレ名盤は出現しなかった。ピンクフロイドも活動休止し、時代は変わっていった。その後の流行系音楽に嫌気がさし、洋楽を聞く気分になれずに自然と離れた。私にとっては最悪の80年代中盤~90年代全般。この期間は私の好きな良い音楽は殆どないと確信していた。

2000年に過去のレコ-ドをCDに買い換えようとして出会ったのがドリ-ムシアタ-。なんとプログレがメタルと融合して生きていた!これには驚いて歓喜した。しかもすばらしいではないか!ドリ-ムシアタ-のCD解説書には必ずと言っていいほどQueensrycheの名前が出てくる。それも名盤コンセプトアルバムと言われるOPERATION: MINDCRIME。

過去に名盤と呼ばれるコンセプトアルバムは聞き倒したのでそれほど驚きはしないが、ここまで名前が出てくるのなら相当な良質コンセプトアルバムなのだろう。だが時代が時代だっただけに期待しないで冷静にOPERATION: MINDCRIMEを聞いてみた。1988年リリ-スなので私が洋楽を聞いていない時期のアルバムだ。

CDをスタ-トすると、安っぽい音質でキンキンと耳障りなサウンドは、いかにもメタルですといいたげな音作り。まずはこの音で嫌気が差す。70年代~80年代中盤の産業ロック名盤のほうがあきらかに音質がいいぞ。でもよくよく聞いてみると良質な曲もある。

#2の小気味良いイントロから続く#3は残念ながら中途半端で、#4はありがちなミドルテンポメタル。しかし#5は躍動感溢れるすばらしい曲。この曲なら今でも良いと思う。#6はそれなりに品質をあまり落とさない出来の楽曲。#8は10分超えでメリハリがあり、ドラマティックで悪くない。クワイヤも良い感じで取り入れられている。#9がハ-ドでメロディアス&キャッチ-。これはラジオ向けに良い曲だな。それ以降は引っかかる曲なし。ラストの#15で歌い上げるのだが、まあまあ。

全体を通して聞くと硬派系メロディアスハ-ドロックを少しひねってメタリック化しただけと言う印象しかないのは私だけなのか?とてもプログレメタルの元祖とは言い難く、本当にこれが歴史に残る名盤なのか疑問。後追いして聴いた2000年にがっかりしたのだが、現在聴き込んでもあまりピンとこない。

彼らの黄金期歴代アルバムも全て聴いたが、8点以上の評価をすることはない。なぜならばアルバムの完成度(良い曲といまいちな曲の差がありすぎ)があまり良くないからだ。



Queensryche / OPERATION: MINDCRIME II

2006年03月28日 | Weblog
Queensryche / OPERATION: MINDCRIME II 2006 3/29 ワ-ナ-
本日国内盤発売!

オペレーション:マインドクライムII

評価8/10

オフシャルHP2曲試聴可能

元祖プログレメタルバンドとしてドリ-ムシアタ-と共にあまりにも有名。その彼らの代表作OPERATION: MINDCRIME の続編が出るという事は世界中で大きな話題になっただろう。確かにOPERATION: MINDCRIME は名盤と呼ばれるだけあって、当時はすばらしいコンセプトアルバムだっただろう。私は後追いで聴いたのであまり感動はしなかった。でも楽曲の出来は今聞いてもかなり高いレベル。しかし、近年の彼らのサウンドは聴く価値さえ見出せないお粗末な物だと思っている。もう解散したほうが良いのでは?と多くの人が感じていただろう。この名盤の続編をリリ-スするのは無謀なのではないか?期待と不安の中、アルバムを聞く。

#1期待を持たせそうなシンフォニックな幕開けから、#2短いナレ-ションが入り、#3ダイナミックな楽曲で、リ-ドギタ-もスリリング。これはもしかしてすばらしいのかも?と期待が膨らむが、#4がミドルテンポのいまいちな楽曲で、#5はスロ-テンポのこれまたいまいちな曲。ここで少し萎えてしまう。やはりだめだったかと。#6もダラダラ系でインパクトは薄い。#7のバラ-ドで少し盛り返したように見え、#8で気合の入った楽曲になる。この曲もギタ-ソロは良い。#9はシンフォニックなイントロから盛り上がりを見せる曲。このレベルの出来なら良しとしよう。でもまだ不満足感は否めないが、#10が軽快感のある密度の濃いメロディアスな曲で心地よい。ハ-モニ-も抜群。#11ここでアルバムのハイライト。ラジオでもながれているリ-ダ-トラックだ。ベ-スがうねり、タイトなドラムとスリリングで躍動感抜群なサウンドとハ-モニ-。この曲は非常にすばらしい!彼らにはこのような楽曲が一番似合う。#12、#13でまったりアルバム終了モ-ドのバラ-ドかと思いきや、#14がクライマックスへ向けての力がみなぎるバラ-ドで、#15も更に歌い上げる。このあたりはスト-リ-を追うと面白いだろう。#16で再度盛り上がろうとするが、中途半端。ラストの#17はバラ-ドで締めくくり。

全体を通した感想は、良さそうな曲が3~4曲で、他はボチボチな出来具合。約59分のアルバムは冗長さを感じた。もう少しコンパクトにして更に躍動感を持たせてくれれば良いアルバムになったと思うのだが。でも近年作の中では力作だな。ボ-カルのジェフ・テイトはいつもながらうまいシンガ-だ。

ペイガン・ブラック・メタル

2006年03月22日 | Weblog
ARAFEL/Second Strike:Through The Flame Of The Ages 

残念ながら新譜の音源はなし。

評価8.5/10

宣伝文句
イスラエル出身の3人組バンドの2ndアルバム。
アグレッシヴなシンフォニック・ブラックに ヴァイオリンや笛などを導入した
ペイガン・ブラック・メタル。カッコイイ作品です。

1曲目を聞くと、メロディックシンフォブラックの様相。ドラマティック&メロディアスなギタ-&キ-ボ-ド。激しく畳み掛けるリズム隊にブラックメタル特有のカン高いデス声。これは見事なシンフォブラックだと思わせるのだが、ここにヴァイオリンや笛が挿入され、楽曲に更なる民謡要素の色合いを付けてくれる。ヴァイキング、ペイガンメタルと呼ばれるサウンドと、シンフォニックブラックメタルの融合は、良い所取りで聞かせどころ満載。テンポもスピ-ディ-になったりミドルテンポになったりで、起伏を持たせているので飽きない。音質もこの手の輸入盤の中ではかなり良質だ。

唯一の難点は、7曲40分程度の録音。もっと聞かせろ!

ディスクユニオンでゲットできます。

DEGREE ABSOLUTE

2006年03月17日 | Weblog
DEGREE ABSOLUTE 2006 2/31 SENSORY

Degree Absolute

評価7.5/10

オフィシャルHP
6曲試聴できます。

テクニカルなギタ-リズムとマイナ-調の歌メロが特徴のUSA3人組みプログレメタルデビュ-アルバム。英語のCD帯にはFATES WARNING , ZERO HOUR , WATCHTOWER ファンは要チェックと宣伝している。

AARON BELL (ギタ-、ヴォ-カル、キ-ボ-ド)と言う人物が中心のプログレメタルプロジェクトらしい。2004年にアルバムは完成していたが、何かの理由で今まで発売されなかった。宣伝文句通り、確かにギタ-はZERO HOURを意識し、WATCHTOWERのテクニカルさを持ち合わせる。テクニカルなドラムもなかなか好印象。ボ-カルは淡々と歌うが、歌メロは決してはずさない微妙なうまさを見せる。このありはプログレメタル好きなリスナ-を彼らの世界へグイグイと引き込むはずだ。

とても1stアルバムとは思えない堂々としたインパクトの強いサウンド。ただし、中盤~後半がかなり地味になり、若干退屈。個人的にはもっとギタ-ソロが欲しかった。

Time Requiem

2006年03月16日 | Weblog
Time Requiem / Optical Illusion 2006 2月

オプティカル・イリュージョンズ

オフィシャルHP


試聴先


評価8/10

スウェ-デンの鍵盤奏者リチャ-ドアンダ-ソン率いるプログレッシブ風メロディックパワーメタルプロジェクトの3rd。

今作からボ-カルがヨラン・エドマンに変わった。前作まではすばらしい曲といまいちな曲の差が大きく、アルバム全体を聴いた時ののイメ-ジはあまり良くない。すばらしい才能があると思われるのに完成度不足で評価を落としている点が残念。

新作の前半曲はドラマティック系メロディックプログレメタルと化している。鍵盤奏者がリ-ダ-のアルバムだけあり、キ-ボ-ドサウンドは非常に魅力的。もちろんギタ-ソロの比率もかなり多く、キ-ボ-ドとギタ-の掛け合いがすばらしい!アルバム前半の楽曲がメロディアス劇的系でメリハリも強く、聴き応えがあるが、中盤が地味になってしまう…これは捨て曲かい?後半はいかにもありそうな感じの平凡な楽曲でつまらない。前半が良かっただけにかなり残念な仕上げ。参加メンバ-は皆優秀揃いなのだから、楽曲全体のレベルを上げれば神盤となるアルバム作成が可能だと思う。リチャ-ドアンダ-ソンはこのバンド一本に絞って秀作を作るべきだ。

アルハンブラ ライブ

2006年03月12日 | Weblog
3/11 渋谷RUIDO K2。ここは狭くてスタンディングだが、ステ-ジが異様に近いため、バンドと一体になれる。 良い会場だ。

6時開場、会場立ち位置は前回と同じ左隅スピ-カ-前を速攻ゲット。

前座のバンドはTIANANOGUEというプログレメタル?バンド。
オフィシャルHP
このバンドは初めて知った。オ-プニングのプロモ映像がなかなか良い感じだ。俳優の高橋克典似のボ-カルがなかなか頑張っているが、楽曲自体がもうひとつしっくりこない。なかなかセンスはありそうなんだがな~。アルバム2枚発売しているようだが、次作に期待するか。後半ちょっと寝てしまった(汗)。

次はお目当てのアルハンブラ。(女性ボ-カル擁するシンフォニック&メロディックスピ-ドプログレメタルバンド)
オフィシャルHP
3曲試聴できます。

略してあぶらと呼ぶのだが、油or脂を連想してしまう俺は変かな?(笑)。会場はお客さんで一杯。狭い会場とはいえ集客力は見事。人気あるのね。2005年発売で捨て曲などまったくないすばらしい完成度の1stアルバム「明日の約束」はもっと沢山の人に聞いてもらいたいと思っている。私の2005ベストアルバムでもベスト10入りの愛聴盤。

昨年初めて見たライブでは背筋に電気が走るほどの衝撃だった。どんな大物バンドのライブよりもすばらしかった。しかも身近に感じられるJUNKOさんの人柄にも魅せられた。

演奏が始まると前座とはいきなり熱気が違う。熱い!スリリングでドラマティックな演奏が観客を興奮させる。女性ハイト-ンボ-カルのJUNKOさんの声量が恐ろしく凄い!あのすばらしいキャメロットのロイ・カ-ンと同じレベルか?マイク等必要ないのでは?(笑)。しかも音域が広く美声。こんなすばらしい女性ボ-カルが目の前で歌ってくれることに感激。生きててよかった。もちろん演奏陣も完璧。まったくスキのない演奏に思わず見入ってしまう。かなり高度な演奏をしているのだが、キャッチ-なメロディ-のおかげなのか難解とは思わせないすばらしい楽曲群に惚れ惚れ。まさしく俺の理想系サウンド。keyが舞い踊り、ギタ-が泣く。クラクラするぞ!

まだ1枚しかアルバムを出していない彼らだが、早くも新曲が3曲も聴けた。JUNKOさんのかわいいしゃべりのMC後に聞いた新曲春来?がなかなか良い。早く2ndが出ないかな~?

会場ノリノリでどんどん演奏は進む。時間があっという間に過ぎて早終了。まだ聞き足りないが、時間が押しているらしい。

アンコ-ルでARKSTORMのG、大田カツと同じくVoの佐々井康雄がゲストで出てくる。DTのカヴァ-の後、なんと俺の大好きなカンサスの名曲、CARRY ON WAYWARD SON じゃないか!かなり嬉しい俺(笑)。ラストに全員でアバのカヴァ-。これも嬉しい。

終了して時計を見ると早10時。楽しい時間はあっという間。

次回5/7には五人一首と吉祥寺でライブをやるらしい。皆さんで行きませんか?五人一首も楽しみだし。

NORTHER

2006年03月07日 | Weblog
NORTHER / Till Death Us Unites 2006 1/25

Till Death Unites Us

オフィシャルHP

評価8.5/10

フィンランドの5人組キラキラメロディックデスメタルバンド4th。

CHILDREN OF BODOM風サウンドと呼ばれて早4作目。かなり良いペ-スでアルバムをリリ-スしている。ブラックメタル風の絶叫型歪声に魅力的なツインギタ-が泣き、キラキラ感のあるキ-ボ-ドが冷ややかな音空間を演出している。音数が多く、アグレッシブなメロディックブラック風な部分も魅力的なバンド。

しかし、最近の作品にはどうもこれらの要素が減退しているように思われ、キラ-チュ-ンも少なかったので印象がかなり薄かったアルバムだったように感じて残念だったのが正直な感想。

新作は1曲目からエキサイティングでメロディアスな楽曲がすばらしい!ギタ-も泣き、キ-ボ-ドの浮遊感も抜群。初期のアグレッシブさが戻ったようなサウンドが非常に嬉しい。2曲目以降も楽曲群の出来具合はかなりハイレベルで安定していて、ベテランバンドの風格さえ見られる。非常に良いアルバムだと思う。やはり彼らにはキチガイじみた突進エネルギ-満載の北風サウンドが似合っている。