ギルのヘヴィ-メタル、プログレ系音楽室

ヘヴィ-メタル、プログレ系、ハ-ドロック等、幅広く音楽CDの感想を書きます。

A.C.T.

2006年07月26日 | Weblog
A.C.T. / Silence 2006

サイレンス

オフィシャルHP

試聴先
スウェ-デンの5人組。てっきりプログレハ-ドロックバンドだと思っていたら、日本のレコ社曰くメロディアスハ-ドロックバンドの4th。

国内盤が出た前作LAST EPICはプログレ加減もメロディ-加減も中途半端でがっかりした記憶がある。新作への興味はあったが聴く気になれずに一旦スル-。しかし巷の評判がかなり良い。気になるから聴いてみよう。

アルバム前半~中盤まではメロディアスハ-ドロックバンドと言うよりも、徹底してポップでキャッチ-なロック。クイ-ンや70年代後半~80年代前半の産業ロック譲りと思われる旋律にハ-モニ-。日本人泣かせの泣きメロも満載で、ほっとさせてくれるような音。更に殆ど気が付かない程度にプログレッシブ風味の音を追加し、殆ど気が付かない程度の個性も見せる(笑)。

ここまで良質のメロディ-を沢山聴かせてくれて良いのか?と思うほどの楽曲群だが、新鮮味は薄い。完全に先が読めてしまうのだな~。強いインパクトの曲も少ない。聞き流すには最適だと思われるが。

5曲目で一瞬おお!と思わせるスリリングなイントロがあるが、曲は無難にまとめてしまっている。惜しい!プログレハ-ドの名曲になりそうな曲だったのに。

後半の期待した9パ-ト、20分の組曲は才能のムダ使い。ひとつの良さそうなフレ-ズだけで4~5分台の良質な曲が9曲作れそうだが、細切れで9個に分けてしまい中途半端になっている。あまりにももったいない組曲。これだけで個性抜群のメロディアスプログレハ-ドアルバム1枚作れそうな勢いだ。組曲中ではJoannaがすばらしい。この方向性が一番彼ららしいと思う。

A.C.T.はこんな音だろうな?と先入観を持ってはいけないと思わせた新作。
前作よりは遥かに良くなっている。1時間を越える楽曲群はアルバム2枚分の聴き応えがありながら、組曲をもっと充実させて後日もう1枚で聴きたかったと思うのは私だけか?

評価8/10

New Wave of Folk Metal

2006年07月23日 | Weblog
Eluveitie / Spirit 2006

オフィシャルHP(いきなり音が出ます)

MySpace(たっぷり試聴先)

あちらこちらで大好評!
スイスの自称 New Wave of Folk Metal 9人組デビュ-アルバム。

大編成のNew Wave of Folk Metalとは気になる存在だ。

伝統的なケルティックフォ-クミュ-ジックと近年風味のメロディックデスメタルをユニ-クに結合させたとか、古典的な“Gothenburg Sound"に影響された等の事がオフィシャルHPに書いてある。“Gothenburg Sound"とはいったい?

メンバ-は9人編成と言いつつ、8人しか紹介されていない。
通常のメタル編成(ベ-ス、ドラム、ギタ-×2)の他にアイリッシュフル-ト、Tin & Lowホイッスル、マンドラ?、アコ-スティックギタ-、フィドル、hurdygurdy bass-shalm ?、アコ-ディオン等が使用されている。これらの楽器を使用している事だけでも面白そうな音が期待できる。どれどれ?

音の骨格はまさにしっかりした硬派系北欧型メロディックデスメタル。骨格だけでも出来の良い楽曲群に本格派ケルティックフォ-ク風味満載の演奏が更に土台を固める。音密度が異常に高いが嫌味はなく、見事に調和している。

1曲目の効果音にクワイヤを交えた勇ましい雰囲気を備えたオ-プニングから、2曲目に一気に畳み掛ける凄まじい音。これがNew Wave of Folk Metal なのか!

3曲目は試聴できるYour Gaulish War 。哀しく激しいメロデス基調メインに泣きの笛。
ここまで聴いて彼らの音にどっぷり浸れるのは私だけではないと思う。あまりにもすばらしい前半。

その後も一本調子ではなく、女性ボ-カルメインの曲も交えながら緩急を付けてアルバムは進行していく。もちろん多彩な楽器群は総動員。大編成ならではの迫力は嬉しい。生で彼らを観たら失神してしまいそうだ。

全ての曲が絶賛できるとは思わないが、デビュ-アルバムにしては異例の良作。

ジャンル問わずに骨格となる楽曲がしっかりしていないと、どんな味付けをしてもダメだというのが理解できるアルバム。いつの時代も生き残れるのは本物だけ。

評価9/10
騙されたと思って試聴しよう!

メロディックエクストリ-ムパワーメタルバンド

2006年07月20日 | Weblog
MISERY INC. / Random End 2006

Random End

オフシャルHP

フィンランドの6人組メロディックエクストリ-ムパワーメタルバンドの2nd。

メロデックデスメタル/スラッシュ仕立ての活きが良くて速いサウンドに、色気抜群のクリア-ボイスが中心となり、嫌味の少ないデス声と元気なコ-ラスが活気を与えてくれる。

HIM等のメランコリックロック/ゴスロックに代表されるような北欧哀愁旋律の歌メロと、これまたメロディアスな旋律を奏でるリ-ドギタ-とザクザクギタ-。フィンランドの香りがプンプンする。

時折見せるメロディックプログレッシブメタルのようなスリリングな楽曲と展開。

彼らのサウンドは北欧で昨今流行りの要素が満載!どのようなジャンルからでも気軽に入り込めると思われる聴きやすさは一般聴取者をメタルに取り込むには最適。友人にムリやり薦めて世界総メタラ-計画を!(謎)

前半2曲はかなりの秀作。中盤以降は似たような曲が多いのだが、捨て曲がないのでここは目をつぶるとして….

メランコリックロック/ゴスロックでは物足りないあなたはぜひ!
スラッシュメタルにメロディ-と変化が足らないと思っているあなたもぜひ!

↑自分の事です(笑)

評価8.5/10

Muse

2006年07月19日 | Weblog
Muse / Black Holes and Revelations 2006

ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ(初回限定盤)

オフィシャルHP(試聴できます)

MySpace

イギリスの3人組ハ-ドロックバンド4th。

前作 Absolutionがヒットしたらしく、ドリ-ム・シアタ-のドラマ-、マイクポ-トノイが絶賛し、ドリ-ム・シアタ-の最新作Octavariumの中に、Museの曲のパクリがあるのは知る人ぞ知る事実。

これらの話題から私のようなプログレメタル好きもAbsolutionをOctavarium発売後に聴いてみた。確かにパクリ元曲を含む数曲に我々が好きそうな音があったが、全体的には好きになれそうもない歪んだギタ-のUKロックサウンド。この手の音は苦手。

でも新作はちょっと気になる(笑)。普段あまり聴かない系統の音なので、気に入らない部分と気になる部分を書いてみた。

気に入らない部分
新作は歪んだギタ-の音が前作より減ったが、それでも全体的にすっきりしない歪んだ音には閉口。歪んだ音楽は流行っているのか?彼らの音はもっとクリアな音で聴いてみたい。

キ-ボ-ドを多用しているのは問題ないのだが、安っぽいエレクトリックポップ/ロックのように聴こえる曲が多い。

単調なリズムでクイ-ンになりそこなった感が漂う曲や、ダ-クネスみたい?でがっかりさせる曲がある。これらの曲は好きになれそうもない。

スパニッシュ風味等、実験的な試みが見られるが、未完成のまま終わってしまっている。

気になる部分
シリアスなイントロから流れるような旋律で歌い上げ、ハ-ドに決めてくれる。まるで大滝詠一のさらばシベリア鉄道のような曲がある。←意味不明。

劇的系メロディアスプログレッシブメタル風味の曲あり。これらの曲を聴けば、プログレッシブメタル好きも彼らに必ず興味を示すはず。

約半数の曲はメロディ-センスが非常に良いと思った。

ボ-カルはかなりうまい!

全体
アルバム収録曲はまとまりがなく、個人的にはっきり好き嫌いが分かれるのだが、前作
Absolution よりは良い出来ではないかと思う。何気に気になって繰り返し聴いた不思議なアルバム。

評価 差し引き7/10

プログレ・オールスターズ3日目参戦

2006年07月18日 | Weblog
プログレ・オールスターズ3日目に音楽仲間と行ってきました。
前売りで3000円は安い!この値段で観てもいいのか?

ALHAMBRA
と初めて観るGERARD

初めて行った沼袋サンクチュアリは適度な大きさのライブハウスで、バンドとの距離が近くて親近感抜群。大きすぎる会場とはまったく違う臨場感がすばらしい。小さなハコ万歳!ちょっとボ-カルの音が割れていたのは残念。

ライブは楽しめたのですが、正直な感想を。(ファンの方ごめんなさい)

まずはALHAMBRA

JUNKOさんが真っ赤なドレスで登場。おお!ステキ。いつもながらのキラキラ劇的メロディックスピ-ドプログレッシブサウンド炸裂。圧倒的な存在感はさすが。今年3回目のライブ参戦(笑)でも楽しめた。1stアルバムからの楽曲は全て大好き。新曲も数曲交えながらのライブ進行は今年の特徴。来年には2ndアルバムを聞かせてもらえそうだ。

ただし新曲に気になる点がある。1stアルバムの楽曲群とは雰囲気が異なり、どうしても地味に聴こえてしまう。もちろんアレンジは凝ったものだが、衝撃を感じるほどインパクトはない。

そして初めて観るGERARD
彼らのシンフォニック&ドラマティック変拍子サウンドに驚き、後追いで初期アルバムまでCDを集めた。

演奏が始まる寸前に会場を見渡すと、超満員。さすが人気は高いようだ。年齢層がかなり高いのが少し気になった(笑)。

演奏が始まる。おや?ボ-カルがいないトリオ編成なのにボ-カル含む4人?昔同じバンドで演奏していたアンジーさんと言う人らしい。

前半は新作歌物。う~ん、正直退屈。スリリングなキ-ボ-ドプレイを楽しみに来たのにまったりしてしまった。新作インスト曲も強い印象はない。MCがなかなか面白くて良いのだが、ダラダラと時間が過ぎていく。

現時点の最新作Power Of InfinityからWarning! Warning!。やっとここでスリリングなプレイが観られた。この時は目が点になった。永川トシオさんの躍動感溢れるキ-ボ-ドプレイは凄い。アンコ-ル後のRevengeで更に感動。

でもこれでお終い。好きな曲が2曲しか聴けずに欲求不満。

おっくんの部屋に写真、セットリストがあります。

ハンガリ-の民謡メタル

2006年07月14日 | Weblog
Echo of Dalriada / Jegbonto 2006

オフィシャルHP

試聴先

ROKS宣伝文句
ハンガリー出身のバンドによる2ndアルバム。
男女ツインVoをフィーチュアしたフォーキッシュなメロディック・パワー・メタル。

民謡メタル 
それは多くの人々に自分の住む地方や国の誇りである古くからの親しみやすい音楽を広く伝えるための手段としてすばらしい融合音楽だと思っている。

ここにハンガリ-産の民謡メタルバンドがいる。ハンガリ-の民謡はどんな感じ?と聞かれても、答えられる人は少ないと思う。

この音が本当にハンガリ-の民謡なのか定かではないが、ヨ-ロッパの民謡らしい節回しと親しみやすい旋律はとても心地よい。これに骨太ちょい速めのメロディックパワ-メタルの要素と、笛やピアノ等の素朴であまり派手過ぎないシンフォニックアレンジがとても好印象。土臭い感じがありながら、臭すぎず、なぜか洗練された音は魅力的。楽曲に意外性は少ないが、きっちり作り込まれた感じがするのは○。

ちょっと鼻にかかった中音域中心で歌う力強い女性ボ-カルと、時々デス声男性ボ-カルとの掛け合い&ハ-モニ-が更に良い雰囲気を醸し出している。ついつい繰り返して聴きたくなってしまう。これは良い出来だよ。

な~な~ななな~な~な~ななな~♪

評価8.2/10

2006年上半期ベスト10&上半期総括

2006年07月01日 | Weblog
2006年上半期ベスト10&上半期総括

今年は期待した個性的なバンドの新作がことごとく好みから遠ざかってしまった。
平凡で個性が少なく、どこにでもありそうな音が世界的に流行しているのだろうか?
LOSTPROPHETS、Sikth、Hoobastank(感想あり)
Story of The Year、イエロ-カ-ド (感想書けません)
最近聴いたMuseもう~む?

面白い新人と、完成度の高いメタルもあったが、やはり2006年前半はちょっと地味。
好きなジャンルのプログレメタルもかなり弱かった。Vanden Plasは予想外の良い出来。

2006ベスト10(上から順)

PROTEST THE HERO / Kezia
衝撃のカナダ産プログレッシブパンク変態メタル?エモコア?バンド1st。

Dark Lunacy / The Diarist
イタリアンクラシック風シンフォニックデスメタルバンド。泣ける。

KALMAH/The Black Waltz
クサクサメロディックデスメタルはみんな大好き!

DISARMONIA MUNDI / MINDTRICKSキラキラメロディックデスメタルバンドの3rd。聴いていて心地よい。

Vanden Plas / Christ 0
湿り気系メロディ-&サウンドが特徴のドイツのプログレメタルバンド。

Rage / Speak of the Dead
ドイツのベテランメタルバンドがフルオ-ケストラを取り入れた。

IN FLAMES / Come Clarity存在感満点のメロディックデスメタル。

PYRAMAZE / Legend of The Bone Carverデンマ-クのプログレッシブ風味盛りだくさんなメロディックパワ-メタルバンド。

Elvenking / The Winter Wakeイタリアン6人組フォ-クメタルバンド。泣きのヴァイオリンが嬉しい。

Edenshade / The Lesson Betrayed 
デス声入りプログレッシブメタルは個性抜群。

特別賞
Tool / 10,000 Days
麻薬のような音に吸い込まれる。

裏ベスト1(2006リリ-ス以外)
Sound Horizon / Elysion ~楽園への前奏曲~(2004)
この音楽は驚いた。ジャンルを絞ってはいけない事を痛感した。

DVD
SONATA ARCTICA / FOR THE SAKE OF REVENGE
堂々としたライブは見事。早くも熟成のメロディックスピ-ドメタル。

ライブ
Dragonforce圧巻!USAデビュ-も好調のようだ。世界中の人を驚かせるのは間違いない。