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散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

境木(さかいぎ)

2009年12月12日 | ☆撮!本日の逸品

今日は、ちょっとショックだった。
これをご覧の皆さんは「境木」というのをご存知だろうか?
横浜では、保土ケ谷宿から旧東海道の権太坂を登り、平戸を経て戸塚宿へ向かおうとする「境木地蔵」が有名だ。
「一所懸命」の言葉があるとおり、土地の支配は死活問題で、土地争いはいつの世でも大きな関心事となっている。
そのために、昔の人は、お互いの土地の境界を明確にしながらも、いらぬ摩擦を避けるために、境界に沿って2尺、あるいは1~2間ずつ土地を出し、お互いの領分としない、誰でも通行できる道や水路をつくった。
それが、旧来の村やの区域を示す道や水路として、今に至るまで、クネクネと残っているところがある。
また、道や水路を通すことができない形状の、例えば崖や斜面であれば、大概に長寿の木を植えて、その境界を示した。
また、境界となる道が交差する場所で、村の土地が鋭角になっているところでは、その土地の尖った部分が通行や崩壊などにより境界があいまいにならぬよう「境木」を植えた。
私が発見したのは、神奈川区羽沢町と保土ケ谷区釜台町のところと、旭区四季美台と今川町のところ。



今回、四季美台の境木が、隣接する土地に老人介護施設を建設するために、無惨にも引き倒された。
グーグルマップでも、鋭角になった部分にあった木の陰が道路に写っている。
たぶん、工事車両が道を曲がるのに邪魔だからと引き倒したんだろう。
横浜市文化財地図によれば、縄文後期の遺跡が埋蔵される区域と想定されている。
施工主にしても、建設業者にしても、文化財が出てしまっては、工期の遅れはそれこそ死活問題だから、それらしきものは早めに始末する。
この土日に工事に入って「後の祭り」にするのだろう。
遺跡があるのかどうかわからないが、その上に建つ老人介護施設というのも、この世の皮肉な結末なのかもしれない。
なお、えてして境木が立つような三角地は、肉食禁止令があった時代の割余し地で、現在の所有者がはっきりしておらず、公有地相当の土地かもしれないから、管理もよく行き届いていない可能性もある。
それを知っていなければ、木を引き倒す荒技はなかなか出来まい。
昔語りに語られる地霊というものがあるのなら、その霊験は近日中にあらわれるのだろうか?


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2 コメント

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伐採 (酔華)
2009-12-12 16:40:15
何年か前、神奈川県知事が山手のマンションに引っ越してくるということがありました。
そのとき、トラックが通るのに邪魔だというので、
L字型の角にあった民間の古木を切ってしまいました。
そこは廃屋だったのですが、旧帝政ロシアから亡命してきたと思われるお方の家で、
なかなか由緒がありそうな敷地・家屋でした。
それをいとも簡単に切ってしまうとは…

この境木も同じですね。
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権力 (管理人)
2009-12-13 22:16:56
権力を振りかざすことの理不尽さを、
お互いに随分見聞きしてきたと思います。
お手盛り、お手植え、お手つき、お手討ちなど
「手」に関する言葉には権力を象徴するものが多いようで。
お手植えの木は、ふんだんに手間暇かけますが、
お手討ちの木は、見るも無惨です。
それにしても、職務を放棄して、途中で辞めて、
しっかり退職金をもらったヒロシくんの、
戦後処理はとんでもない負の遺産だらけです。
市中引き回しの上、晒し。
礫、鋸引きにならなかったら、放免、領内追放が相当の量刑だと思います。
民意により就いた権力者は、
終わる際にも民意の審判を受ける仕組みが必要だと思います。
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