散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

若気の至りが過ぎてメタボでも、世遊びは辞められない。

横浜散歩・草餅と桜

2011年02月22日 | ☆横浜じゃん

中区上野町の和菓子・きむらや本店で、こだわりの草餅を発見した。

その前に発見して、ついついメタ坊世界遺産に登録したのが、「皇紀二千六百年記念」と刻されたトーチ台と国旗掲揚塔。


ひとつ、ふたつと姿を消す戦争遺産。
戦争を賛美したものを否定して、その証を破壊することが平和に結びつくかどうかは疑問だ。
戦争に突入する国家を、多くの国民が熱狂的に支持したことを忘れてはならない。
そのモニュメントを残すことが、戦争への反省と平和への祈りを具現化するものだからだ。

その近くにある「きむらや本店」は、明治13年創業、当主は四代目・・・そう書いてある。


しかし、店構えからすると、その歴史を微塵も感じさせないのは、どこにでもある光景だ。
伝統を親から子へ引き継いでいるにもかかわらず、店を今風に変えようとすることが売上げにつながると思い違いをする。
事実、高度経済成長時の消費文化が、伝統を重んじることを良しとしなかった。
ファッション関係の専門店なら、いつでも時代の最先端を意識しなくてはならないが、「和」の伝統だけは、変えないことのこだわりが必要だと考えるのは、メタ坊だけではあるまい。

そう思いながら、通り過ぎようとすると、年若いお客さんが出てきた。
「この店には、何かある!?」
直感的に、店に入ってみた。
ショーケースの中は、これだけ?・・・。
こういうときほど迷うことはない。

選ぶ時間を稼ぐために、(130周年)の文字に秘められた思いを聞いてみた。

道路標識に麒麟園の文字があるとおり、北方小学校には、キリンビールの工場があって、多くの工員が買ってくれたし、会社の行事などでも使われたので、そのときが全盛期だったから、多くの職人を雇って商っていた。
工場が移転してからは、ここ辺りのどの店とも同じに右肩下がり。
のれん分けした店もかなりあったが、どこも後継者がなくなって店じまいしてしまった。
本店とついているのは、弟が店を持っていたからだが、それも店をたたんでしまった。

そんな話しを聞きながら、ケースの左下に目が釘付けになった。
「よもぎ 新草入 草餅 160円、草餅(あんなし) 130円」とある。
新草って、なに? あんなしの草餅って、あり?

なんと、草餅に突き込むヨモギは、毎年ヨモギ採りを頼んでいる人から、今の時期は伊豆などで摘んだものを送ってもらっているという。
「田圃や公園などでは、人がいるのできれいじゃないから、山に分け入って若芽を摘む。
時期が変われば、若芽を得るために、車で遠くまで行って採ってもらっている。
なんとか手に入れることができる、5月の柏餅までやって、ヨモギがなくなれば、もう草餅は作らない。
だから“新草”と表示しているうえに、ヨモギの香りを楽しみにしている人のために、あんなしの草餅も売っている」

「いっぱい摘んでも、ゴミ採りして、茹でるタイミングの見極めなどで、苦労が多い割にヨモギの量が少なくなるので大変ですね」
というと、
「それが、きむらや代々伝わるやり方で、四代目もその伝統を受け継いでやっている。他の店でそうそう真似できるものじゃない」
と答えが返ってきた。

もっちりとして、歯ごたえがあり、際立った緑色で、鼻に抜けるヨモギの香りと、あっさりめのアンコがなんともいえないハーモニーを奏でる。
こだわりの一品を見つけた。



麒麟園は、山手を越えようとする坂の途中にある、門と記念碑の建つ公園がそうだ。


その前の丘には、サンモールインターナショナルスクールの建物がある。
ここの門は、カトリック山手教会のものと同じ形状をしている。


もと、キリンビール工場だったという北方小学校には、1895-1901まで使われていたビール井戸が残っている。


ブラフ積みの石垣が延々と続く坂道を登っていく。


その頂きの、在りし日のセントジョセフの記念として造られた小公園に、今、河津桜が咲き、満開になろうとしている。

花より団子・・・いえいえ、こだわり桜に、こだわり草餅です。


日本大通りと富士山を被写体として、定点観測中です。



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