横浜好きなら、だれもが一度は行ってみたい入ってみたいという本牧「ゴールデンカップ」に潜入した。
1960年にビートルズが来日するや、日本中がエレキバンドに注目し、グループサウンズのブームが始まる。
タイガースやテンプターズ、スパイダースに、ワイルドワンズなどが一世を風靡した。
「長い髪の少女」でオリコンに登場したゴールデンカップスは、ここ本牧のゴールデンカップの専属バンドだったので、その名が使われ、メジャーデビューとなった。
戦後、どの時代も人口の大半を占める“団塊の世代”が、流行や文化の中心になるのは、多数決原理の民主主義を象徴しているようで面白い。
ビートルズに触発されて、至る所にライブハウスができたのも“団塊の世代”のパワーだろう。
しかし、当時も、今も、ライブハウスに出入りするのは「不良」というレッテルが貼られる。
「反体制」を意識するからこそ、そこに出入りすることが「かっこいい」ことと考えたのも、「ワイルドだぜぃ!」に関心を示す気持ちに等しい。
ただ時間の流れを止めることはできない。
加齢とともに体制側にシフトするにつれ、「不良」には距離を置くことになり、アメリカの雰囲気を放っていたゴールデンカップも、いくたびかの変遷を重ねたという。
ハマっ子とはいいがたい私自身、昔のゴールデンカップを知らないから、この入口を見ただけでは店内を想像することはできない。
幸い?横須賀生まれだから、ドブ板通りを知っていて、まだベトナム戦争中で、MPが定期的に巡回する中を、「日本人入店可」の張り紙に興味をひかれてバーに入ったものだけど、ここゴールデンカップも、その雰囲気を多分に持っている。
ドブ板通りのバーは、二重のカーテンをかき分けて入る。
すると中は真っ暗で、消え入りそうなほどのミラーボールの灯りが、人の気配を浮かび上がらせるものの、白人はともかく、黒人となると、目と歯が見えてはじめて存在を認識できた。
さて、ゴールデンカップのドアを開けると、思いっきり明るかった。
そう、バーではなく、レストラン、それも中華料理がメインなのだ。
小さいお子さんを連れたファミリーでも入りやすいように、明るくしているらしい。
それでも、あのころ青春を謳歌していた“団塊の世代”が懐かしめるように、当時の風景を切り取った写真が飾られている。
メニューは、ワンタン500円、ラーメン600円から、チャーシューメン800円、トリそば500円(下写真)、エビそば700円の麺類メニューが充実している。
スープには、かなりのこだわりが味わい深い。
チャーハン700円やパイコーチャーハン800円のご飯メニューもあり、変わったところでは、ソース焼きそば、焼きうどん500円なんてメニューもあったので、ソース焼きそばを注文してみたら、おすすめは、五目焼きそば700円(見出し写真)だという。
具材の下ごしらえができていなかったとみえて、時間が少々かかったものの、その間、店内を見学。
もう動くこともなさそうなミュージックボックスには、「長い髪の乙女」や、柳ジョージの曲など、当時を思わせる題名が並んでいた。
オールデイズやハワイアンなどの曲でカラオケに興ずるお客さんもいたりして、なかなかアットホームで落ち着けるお店だ。
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