散歩の閑人:メタ坊っちゃまのYOASOBI?

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広島旅行・景観は守られた!?鞆の浦

2009年10月07日 | ★メタ坊タウン情報
写真は今から13年前、デジカメで撮った広島県福山市鞆町にあるレトロな外観の建物が印象的だった喫茶店の風景だ。江戸時代、鎖国政策をとりながらも国交のあった朝鮮からの使者・朝鮮通信使が船で瀬戸内海を航行するとき、必ず潮待ちのために滞在したという海岸山福禅寺の対潮楼からの眺めと、幕末、あの坂本龍馬が結成した海援隊の所有船・いろは丸が鞆の浦沖で紀州藩の御用船と衝突し沈没していたのを引き上げて展示してあるという、その二つの理由から出かけたと思う。
とにかく対潮楼からの眺めは素晴らしかった。ご住職が見学者の集まったのを見計らって窓をすべて開け放ったときの眩しさと、ご住職の熱のこもった解説が実に心に残る。古い街並みの残る道筋は、さすがに道の狭さと例え一方通行にしても、切り返しが難しいと思われる路地が多く、マイカーの進入には閉口したのを覚えている。生活者としては、救急車も立ち入れないような道が生命の危機を感じさせるのだろうし、いつまでも放っておいた行政の怠慢が、手っ取り早い埋立てと高架橋による道路の敷設を計画させたに違いない。その場合でも狭い路地は解消されない。地図を見ていると、過去に山裾を通る道を作っていた形跡がある。それがどうも埋立で工場誘致をすすめるようになり、同時に町面積の拡大と道路の拡幅の両得をもたらすことから、問題の工事を強行することで解決しようとしたようだ。
地裁判決とはいえ、景観保護を理由とした着工前の工事差し止め判決は実に画期的な判決だ。もし工事がすすめられてしまえば、鞆町の景観と、そこから感銘を受ける歴史的な街並みを失うことになる。来年のNHK大河ドラマは「坂本龍馬」だけにかなりの観光客が見込まれ、工事により景観が損なわれたものを見せつけられるのもいかがなものかと思う。今後、高架橋がかかれば、通過車両が増える一方、観光客の激減は避けられまい。
ところで、宮崎駿監督作品「崖の上のポニョ」は、ここ鞆の浦で着想を得たのだという。その話を聞いて「そういえば景色が似ている」と思い、宗介の家は対潮楼のイメージかと思って調べてみたら、監督の知人の家がそのモデルだという。
そのほか、映画「あした」や「世界の中心で愛を叫ぶ」などのロケ地だと思っていたが、どうもそれは勘違いだったらしい。いずれも瀬戸内海を臨む場所で撮影されている。それだけ鞆の浦も絵になる街並みなのだ。とにかく「保命酒」をキーワードに町歩きしただけでも興味が尽きない。

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