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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

因果関係を疑う

2018-03-08 19:08:37 | 毎日コラム
ほんとうにそんなこと存在するのか。
私たちのすべての基本は、因果関係だと思う。

物語を信じているのも、因果関係が支えているからだろう。
こうだから、こうなる。
そうなった、なぜならこうだったからだ。
しかしここには重要な転倒がある。

ほとんどは結果を受けて、逆に原因を探ってそれを因果関係として結ぶ。
柄谷行人が指摘していた例がわかやすい。
神経症と呼ばれる発祥は幼少期のトラウマとして何らかの疎外があるとフロイトは指摘した。
それについて周りの人々は疎外が原因であるとして、トラウマにならないように育てれば、神経症が起こらないだろうと考えた。
それを柄谷行人は、転倒と呼んだのだ。

そういう転倒はいたるところにある気がする。
私たちが思い込んでいる因果関係は実はかなりこの転倒が含まれているのではないか。
以前書いた「運に左右されている」という考えもその一つだ。
私たちが掴んでいる因果関係は偶然性によって勘違いや思い込みが含まれていることが多い。

それは科学の話をしているのではない。
たとえば、誠心誠意を相手に伝えることが成功につながる。
失敗した原因は、自分の意思が弱かったからだ。
などなど、あらゆることが、因果関係で結ばれ私たちを追い込んでいく。
だが、その関係こそ、私たちをが囚われている欺瞞なのかもしれない。

私たちが囚われている因果関係はなにかを盲目にしている。
西洋や東洋が論理を構築していくことで世界や社会を作ってきた。
その「当たり前」にアタックをかけてきたのが、ISをはじめとするテロ組織だろう。

大きくなりすぎた世界こそ、根本を問う眼差しが必要だ。

たとえば、「毎日コラム」なのに、毎日更新しないとか。
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