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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

デッド・コースター(V)

2008-10-19 11:30:36 | 映画(た)
評価点:72点/2003年/アメリカ

監督:デヴィッド・R・エリス

そんなに合理的な説明がほしいのか。

一作目から一年後、キンバリーは、友人と四人で休暇をすごそうと高速道路に入ろうとしたとき、大規模な玉突き事故が起きるリアルな夢を見る。
夢との符号点があまりに多いことに不振を抱いた彼女は、その場で車を止める。
その直後、彼女が見たとおりに大規模な玉突き事故が発生、さらに友人たちの乗せた車に大型車が突っ込む。
生存者たちは、一年前の180便の飛行機事故を起こした際、予言した生徒がいることから、生き残ってしまった自分たちも、不審な死に方をするのではないかと不安になる。
そして、前作の一連の事件で、ただひとり生き残ったクリス(アリ・ラーター)に、キンバリーは会いに行くのだが、、、

前作「ファイナル・デスティネーション」は、B級映画ながら、一流のサスペンス・ホラーをみせた。
当然、この二作目も期待してしまうのが、人の道である。
前作同様、この映画はあまり日本で話題にならなかった。
というか、アメリカでもそれほどヒットしなかったようだ。
観ていない人は、前作からみてみることをオススメする。

▼以下はネタバレあり▼

このシリーズのキモは、なんといっても「日常に潜む死の恐怖」である。
なんでもない日常の不気味さを、死という形をもった恐怖で綴っていく、その演出が最大の魅力である。
監督が変わってしまった本作でも、それは受け継がれている。
しかし、本作では、それ以上に「残酷な死」という演出によって、観客を怖がらせているようである。
これは好みが分かれるところかもしれない。
前作のほうが、死への予感という演出はうまかった。
本作は、残酷な死をみせることに力点を置いているため、死への予感という演出は特筆するほどではなくなった。

冒頭のシーンの玉突き事故は、恐怖そのものである。
リアルなスナッフ・ビデオのように、血が飛び散る死の連続は、それだけで手に汗を握らせる。

そういう意味ではすこし楽しむところが変わった印象はある。
しかし、「なぜか死ななければならない」という恐怖は存在する。
個人的には「スクリーム」よりも恐怖を感じた。
予兆というかたちで伏線をはり、前作とのつながりをきちんと見せたという点、
また、謎解きという要素を前作以上に加味したことによって、「サスペンス」らしくなっている。
「スクリーム」に続けとばかりに撮られたような、下手なホラー映画よりもよっぽど面白い(「スクリーム」は好きだよ。)。

しかし、どちらかというと、前作のほうが好きだ。
理由は二点。
まず「謎解き」が前提となってしまっている点。
「死のリスト」が存在しそのとおりに死の順番が決まる、という法則が自明のことのように描かれている。
それでは面白くない。
前作は、それを自力で見いだした。
本作は、「ある」ものと信じて疑わない。
犯人がいるかのような扱いは、すこし映画のモティーフから外れている気がする。

二点目は、ラストである。
子どもが吹っ飛んでしまうというのは衝撃的だが、主人公たちがよくわからないまま助かってしまうのは、いまいちだった。
法則性を訴えたのだから、法則性の中で終わらせてほしかった。
それが、次回作につながるようなものでもいい(「ラスト・サマー」のようだが)。
けれど、今回はあまりにあっけなく終わってしまった。
もうひと波乱ないと物足りなさを感じてしまう。

いずれにせよ、僕はこのシリーズのファンである。
回を重ねるほど質が落ちていくのは眼に見えているが、次回作を望んでしまう。
今度はあの黒人が何か起こすのかな、なんて予想を立ててみたり。

映画と直接関係ないが、邦題の付け方が相変わらず下手だ。
「デッド・コースター」って。
「ファイナル・デスティネーション」というタイトルが、あまり振るわなかったにしても、そんなあからさまにB級映画のようなタイトルをつけなくても。

(2004/4/1執筆)

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