外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(30)~イタリア南部バジリカータ州への旅・マテーラで宿探し編~

2020-10-16 19:06:37 | イタリア

 

 

夕方マテーラにバスで到着してから、私がまずやったことはホテル探しだった。(前回の話

 

私には基本的に海外でホテルを予約する習慣がない。それに、いくらマテーラのサッシ(洞窟住居がある歴史的地区)が世界遺産で国際的に知られた観光地だといっても、交通の便の悪いこの地に、しかも平日の月曜日に観光客が詰め寄せてホテルがいっぱいになることはあるまいよと高をくくっていたのだ。

 

幸いバスターミナルは市内中心部にあり、移動が楽だった。地球の歩き方で目星をつけていた安ホテル「アルベルゴ・ローマ」(Albergo Roma、albergoはイタリア語で「ホテル」の意味)はすぐそこだった。ホントはサッシの中にある洞窟ホテルに泊まってみたかったのだが、やや高そうだし、荷物を運ぶのが大変そうなので除外した。

 

アルベルゴ・ローマのHP。グーグル先生の愉快な日本語版もある。

http://albergoroma-matera.it/

 

HPから拝借したレセプションの写真

 

 

ここに泊まる気満々だったのだが、ホテルが入っている建物の入り口には、「満室」(completo)の表示が出ていた。ま、まさかの満室?! いや~ん・・・

 

念のために受付に行って確認しようと思い、石地蔵のように重く感じられるスーツケースを抱えて階段を上った。ホテルは最上階にあるのだ。

 

受付にいた30代くらいの小柄なイタリア人男性に、「あの、今日は空いている部屋はないんですよね・・・?」と聞いてみたら、やはりないという。重ねて、「あの、ここくらいの価格帯の経済的なホテルで、空いてそうなところが近くにありませんかね?シングルのトイレ・シャワー付きで」と聞いてみる。

 

ダメモトで聞いたのだが、男性は「ちょっと待ってね。今聞いてみるから」と言って、すぐに近隣のホテルに電話をかけ、空き状況を調べてくれた。なにこの人、天使か??

 

いくつか当たってくれたホテルはどこも満室だということで、目の前がグレーになったが(黒になる手前くらい)、最後にかけてくれた修道院経営の宿泊施設に空きが見つかったそうで、「41ユーロだけど、大丈夫?予約する?」と聞かれた。もちろん、すぐに予約してもらう。

 

41ユーロは現在のレートで5千円ちょっとだ。フィレンツェでは、この値段でシャワー・トイレ付きのシングルにはまず泊まれない。マテーラは相場が安めのようだ。男性は行き方を説明しながら、地図に線を引いて渡してくれた。

 

お礼を言って立ち去る前に、「まさかマテーラのホテルがどこも満室とは思わなかった。来る時期を間違ったかしら」とぼやいたら、彼は笑顔になって、「君は来る年を間違ったね。今年はマテーラが『欧州文化首都』に指定されたから、イベントが多くて観光客が増えてるんだよ。去年や一昨年のこの時期は、どこもガラガラだったよ」と教えてくれた。そうなんだ、知らなかった・・・チェックが甘かったぜ。今後またマテーラに行くことがあれば、次はぜひこのホテルに泊まりたいものだ。

 

泊まれることになったのは、「Casa per Ferie Sant'Anna」(カーザ・ペル・フェリエ・サンタンナ=「聖アンナ・ホリデーハウス」)というところで、アルベルゴ・ローマから徒歩で10~15分くらいの距離だったと思う。私は極端な方向音痴で、迷いながら行ったから、もっとかかったが。

 

聖アンナ・ホリデーハウスのHP。イタリア語と英語のみ

https://www.santannamatera.it/

 

紹介動画もあった。

 

 

通りがかりのおっちゃんに道を尋ねて、なんとかたどり着いた。私はアラブ諸国では、路上で暇そうにしているおじさんたちに質問しながら探し物を見つける「おじさん方式」をよく使っているのだが、イタリアでやったのはマテーラが初めてだった。フィレンツェ人は京都人と同様、よそ者と距離を置く人が多いのでやりにくいが、南部ではありだと思った。

 

 

この要塞が入り口付近に立っているので目印になる。13~19世紀にかけて南イタリアを支配していたナポリ王国のジョヴァン・カルロ・トラモンターノ伯爵が16世紀初頭に建設させたという「Castello Tramontano」(カステッロ・トラモンターノ=「トラモンンターノ城」)だ。

 

 

ちなみにウィキペディアによると、このトラモンターノ伯爵は、要塞の建設費用等のためマテーラの住民に重税を課して「暴君」と呼ばれ、後に住民に暗殺されたという。事件の調査のため王国から調査官が派遣されて、暗殺の首謀者4人が絞首刑に処され、他の人々にも罰金が科せられて、それに対する反乱が起きたりして盛り上がったらしい。

 

 

聖アンナ・ホリデーハウスの建物は、敷地の入り口から少し坂を上ったところにあった。飾り気がなくてシンプルな外観だ。

 

 

受付のスタッフにさっき電話で予約を入れてもらった旨説明し、宿泊料を支払って鍵を受け取る。

 

 

廊下は病院風

 

 

室内は修道女の個室風。清潔でWi-Fiもテレビもあり、朝食もついて41ユーロは安い。しかし、なぜ40ユーロじゃないのか。

 

 

シャワーとトイレもピカピカで、シャンプーや石鹸なども一通りある。

 

 

快適そうな宿が見つかって安心したが、翌日は空いていないそうだし、他の宿を見つけるのも難しそうなので、翌日のうちにアリアーノに移動する手段を探さなければならない。というわけで、荷物を置いて、またすぐ出かけることにした。

 

長くなったので、続きはまた次回。つい色々調べて脱線するから、なかなか進まない・・・

 

(続く)



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2019年チュニジア・トルコ・... | トップ | 2019年チュニジア・トルコ・... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
michiさんへ (Zhen)
2020-10-17 22:47:43
僕もホテルは、予約せず行き当たりばったりが好きなのですが、中国で初めて行く街では、それができません。と言うのも、中国では外国人が泊まれるホテルは限定されているので、空室があっても泊まれないことがあるので。中国人の身分証明書、欲しいなぁ~、と思っています。

トラモンンターノ城は、マテーラの観光名所なのでしょうか?それなりに素敵ですが、一瞬火力発電所かと思っちゃいました。失礼!

聖アンナ・ホリデーハウスは、修道女の個室っぽくて、悪くないですね。この部屋で、飲んだくれるMichiさんを見てみたいなぁ、また、また、大変失礼いたしました。

次、楽しみにしています!

Zhen

返信する
Zhenさんへ (Michi)
2020-10-18 17:53:41
外国人が泊まれるホテルを限定している国って、中国以外にあるんだろうか?北朝鮮とかは別として。旅行者としては、不便ですよね。

トラモンターノ城は一般公開されてないみたいです。要塞であるにしても無骨な外観ですよね~

聖アンナ・ホリデーハウスでは、買ったワインを開けてたくさん飲んだので、飲んだくれの修道女のような気分でした~

なかなかマテーラ観光までたどり着けませんが、よろしくお願いします~

返信する

コメントを投稿

イタリア」カテゴリの最新記事