山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

鋼材あれこれ

2006-05-27 07:14:44 | Weblog
 さぁ、鉄材なり鋼材鍛えて作品作ろうかい。
 ナイフ屋から鋼材買って来た。
 炉に突っ込んで加熱、いざ打とうか、と取り出すとボロリと崩壊。(滝涙)
 こんな経験をしたことがあります。
 七輪鍛冶時代の出来事だったのですが、当時買ったのがナイフの鋼材として
ありふれたATS134鋼。
 この鋼はステンレス鋼ですが、耐蝕鋼としても有名。硬いうえ、加熱温度は
800度前後で温度の許容範囲はものすごく狭い。(最近になって特性が解った)
 失敗した理由は、温度の上げ過ぎでオーバーヒートしたこと。そのまま炉の中で
スクラップにしてしまったのでありました。
 銀紙3号。これも硬い。あまりにも硬すぎて形にできず放棄しました。
 O1鋼 これは粉末冶金鋼? 未だに謎ですが硬いし、独特な筋目から折れるし
えらく難儀して、残ってはいるけど使用中断した経緯あり。
 ステンレス鋼は苦手であります。何よりも特性が多種多様なので苦しめられる。
 ジャンク鉄材でするにも、ステンレスかどうかを見極める必要があります。
 磁石にくっ付かない。キンキンキラキラしてる。
 こうなれば間違いないですが、たまに普通の炭素鋼のふりをしてることもあるので
その辺りの選別は難しい。

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4 コメント

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鉄って (朱鷺田)
2006-05-28 01:49:43
皆さん鋼材選びに腐心なされているのですね。わたしは高校まで鉄と言えば鉄ぐらいしか分からず。釘も叩けば「常温下」きっとすごい硬さになると思っていた頃が懐かしい…。今は大まかかには種類分けぐらいは出来ますよ。(多分)

現在は出来ませんが百均のヤスリ(このようなものしか扱ったことないです)で刃物を作った時など初めて温度による組織変化を体感しました。

で、たしかに炭素鋼っぽい金属ってありますよね。特に私みたいなジャンクを使っているとこんがらがっちゃいます…。







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あーんなものやこーんなものも (管理人/M・松永)
2006-05-28 18:16:52
おおかた、ジャンク鍛冶になってしまってますが、

中には余りにも強烈すぎて放棄してしまったものに、

土をかぐって、田畑を耕す耕耘機のローター刃が

ありました。

  かなり錆びて通常の炭素鋼に見えますが、何を

隠そう。クロムモリブデン鋼。

 さすが、田畑を耕すだけあって頑丈です。

 手ハンマーが負けます。
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☆そうなんです! (朱鷺田)
2006-05-28 20:56:55
ローター刃。確かにです。あんまり硬くて疲れちゃうんですよね…。(T_T)。 強く打ちすぎると硬いのでハシから抜け出てぽーんと飛んだりして恐怖を味わいました。
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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道)
2024-09-07 04:30:53
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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