山奥の鍛治工房

趣味でやっている鍛冶作業の記録

もう一度アップ

2008-07-26 17:45:46 | Weblog
鍛冶炉について。
画像があまりにも小さすぎて、再度アップップ。

平炉と通常の鍛冶炉との違い
火格子の位置が高く設けられているか、低く設けられているかの違い。
したがって、それぞれの特徴をば再度掲載。

平炉
1 大型の作品を作る上では最適。邪魔な壁がないため、局所加熱も可能。
2 鍛接作業ができないこともないが、火格子が高く設けられているがゆえに大量のコークスを必要とする。言い換えれば
  熱効率が悪い。

普通の鍛冶炉
1 熱効率は平炉よりも高い。炉壁からの輻射熱も加わる。
2 溝に近いためにあまり融通は利かない。幅広の作品を作る時に難あり。

 いずれも同じ火格子面積で、使用する燃料コークスの量もほぼ同じ体積で考えた場合こうなる。
 使い勝手について、上で下かということはそれぞれなので一概に言えない。
 火格子を低く置かれた鍛冶炉の方が、実際にはかなりのコークスが入る。従って火持ちはよろしい。

 

  

ヤットコ作り

2008-07-21 18:35:17 | Weblog
平成20年7月20日午後1時~1時30分 午後2時~午後3時頃

 久方ぶりに鍛冶作業を行った。
今回は、16ミリ異形丸鋼(通称;鉄筋)でもってヤットコ作り。
素材の切り出しであるが、16ミリの直径と言うことを考慮して
長材より150ミリを2本切り出した。
 作業の段取りとしては
 1.素材の切り出し 150ミリを2本
 2.平炉で加熱
 3.握り手部分の素延べ
 4.くちばし部分の火造り
 5.クチバシ合わせ
 6.カシメピンの製作
 7.ピン穴開け (火造り)
 8.ピンのカシメ
 9.クチバシの修正、全体バランス調整。
10. 完成

 としたわけであるが,今回は3.の工程までで断念した。
 夏場である。
 作業場としている納屋は、朝より日が差して温度上昇。
 窓とシャッターを全開するも、風が入ってくるも来ぬもコークスを焚くとさらに温度上昇。
 5分後には全身汗まみれとなり、叩くも叩かぬもとても耐えられぬ。
 強引に加熱して叩くも開始から30分で最初のギブアップ。
 1時間後に再開したが、これも1時間余りで2度目のギブアップ。
 ここで,思うたのが,工業扇風機があったらまだしのげたかもしれない、ということ。
 独特の暑さ、しかも湿気も何もない乾燥した暑さと熱気による脱水症状発現で体力を奪われた状態に近かった。
 工程にしても、今後,ハシを製作する上で見直しをしなくてはならない。
 まず、クチバシ部分となる素材の端を板にして,平ハシで掴み叩いて、握り手を作るか或いは2本とも板状に最初延べて作っていくべきか。
または長材をそのまま加熱して握り手を叩き出し、同じように叩いて2本切り出す方法がよかったか。2本分の長さに素延べして板にして2本分に切り分けるべきであったか。
 効率を考えた時、どうなるのか,と言う点が今回の反省点。
 画像に,作りかけのハシと並べて撮影したものは、同一材、同径の鉄筋の切れ端である(16ミリ径で,長さは125ミリ付近)
 倍に伸びているが、太さはかなり太い(爆)
 手打ちではかなり手間と時間がかかる。
 こういうときこそ、ベルトハンマー、あるいはスプリングハンマーがあれば楽ではある。
 次回の作業は、これよりさらに細くテーパー形状に伸ばし、クチバシ部分をできたならば火造る予定。
 
 追伸;画像の左下に何やら黒い物体があるが、これはガビガビに乾燥しまくった新聞紙が飛び散った金肌(酸化皮膜)により引火して燃えた後の灰である。流石にビビった。火がつくのが速ければ燃え尽きるのも速かったが、水ぅぶっかけて火種もなにも残らんように消した。
 
 
 

平炉と鍛冶炉

2008-07-13 15:29:14 | Weblog
久方ぶりの更新。
しかも,この半年間やった鍛冶作業より,平炉と通常の鍛冶炉との比較。
模式図を用意してみたが,相変わらずヘタレである.その辺りはご容赦。
どちらも,構造的に変わりなく、上げ火床の部類。
 ただ違うのは、耐火レンガの上縁から、火格子(ロストル)の上縁までの
距離(深さ)が異なる,と言う点だけである。
模式図では浅く深みをつけてあるが、実際には耐火レンガの上縁と高さが
一緒というものがある模様。

 使い勝手は、というと
 平炉の場合は,大型のもの。あるいは鍛接を伴わない物を加熱するには充分である。
 邪魔となるものがないのでコークスのかき寄せは楽である。
 鍛接も一応はできないこともないが、熱の逃れを防ぐにあたって大量のコークスを
周囲に盛り上げる必要がある。
 積層材を製作するうえでは、かなり不利になる。

 鍛冶炉の場合は、熱効率の上では平炉よりも上であるが,かき寄せ,掻き揚げが
一方向にしかできない。
 鍛接をする上ではすこぶる効率がよい。
 積層材を作る上では,このタイプにするべき。
 
 これらを兼ね備える場合には、形状もスリバチ型または舟底型にするのが最適であろう
と考えるが、いまだに手つかず。
 また、送風機の性能次第では,平炉でも通常の鍛冶炉に匹敵するものになろう。
 とりあえずは、風の吹き上げ高さがどれくらいになるのか。
 また気室の大きさも関係してくるし、置いた火格子の間隔も狭ければ,圧力が高まり
吹き上げもよくはなるが、必ず形成されるスラグにより塞がれる確率が高くなる。
 このあたりの問題もある。