チキチキ読書日記

無駄に読み散らかした本の履歴です。

小さいことにくよくよするな! リチャード・カールソン サンマーク文庫

2005年10月03日 23時40分20秒 | 生き方・ハウツー・スキルアップ
ちょこっと前にずいぶんと流行ってた様子のこの本。ブックオフで投売りされていたので買って読んでみた。
著者はアメリカ人の心理コンサルタントである。
前向きで楽天的であることを求められるアメリカ人に向けた書かれた書物である。すべてのページにわたって上滑りするような、まったく心に引っかかってこない言葉が続く。
ようするに目の前の問題を相対化して、少しでも軽く感じるようにせよとのメッセージである。
言わんとするところはよく分かるのだが、実際にピンチになれば右往左往するし、ミスをすれば落ち込む。
しょせん、すべては小さなこと。確かにそうだ。
そんなことは分かっている。
自分を悩ませている問題など、世界を考えれば、宇宙を考えれば、永遠を考えれば……と無限に相対化しどこまでも観念の上では矮小化できる。
しかし、問題が降りかかっている当人にとっては世界は自分とその問題のみである。
もちろん多少の相対化はできよう。

解釈次第で物事はどうにでもなる。
確かにそうだ。
しかし、それはどこかでルサンチマンの匂いもする。
弱者の自己防衛である。
一昔前に『脳内革命』なるトンデモ本があったが、遠からずである。
こんな本で救われる人って一体……。