イギリスゆめだより

日本の外に出ることは自分自身を見つめ直すこと

北欧の旅8

2007-11-04 22:57:54 | 北欧の旅
旅をすることは、日常では経験できないことを経験すること。非日常の体験でもある。あるいは自分の「常識」が実は常識ではなかったと思い知らされることもある。今回もそのような場面に何度か直面した。エストニアのタリンでは路面電車が走っているが、市の中心部を走る路線に乗ったときのこと。目的地の停留所に到着したので、前の人に続けて降りたところ、そこは何と「車道」ではないか。つまり「停留所」というものがなく、車が走ってくる道に、車に用心しながら降りなければならなかったのだ!あれには驚いた!というより、おもしろいなあと思った。北欧を歩いて感じたのは、「必要最低限」の整備はかなりなされているが、その反面必要以上のことは手がつけられていないのではないかということだ。つまり、生活のために too much のことはなく、enough な生活環境が整えられているということである。世の中がどんどん発展していく中で、「発展」が本当にいいことなのかと疑問に思うことがある。「低迷」ではなくとも「停滞」つまり「現状維持」ということではだめなのか。常に向上を目指す社会の「終点」はどこなのだろうか。これは私たちにの人生観に関わる命題でもある。北欧では不必要に社会が豊かではないように思われる。日本はどうか?不必要に「豊か」になっていないか。表面的に。でも実質は?社会が表面的に発展していくその犠牲になったのは「人の心」。北欧では「人の心」を大切にする何かかあるような気がする(これは今後の研究対象である)。神話や妖精の存在を信じる気持ち、家族という時空間。これは私たち日本人が顧みるに値する北欧の人々の精神性であるのかもしれない。

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