まさおレポート

バリの風景 闘鶏

闘鶏 2012-09-06

スミニャックに向かうためにジャラン・バイパスをタクシーで走っていると闘鶏を三羽運ぶ二人を発見。闘鶏用の雄鶏は大切にされるがここまで立派な籠は初めてみた。

サブンガン・アヤム(sabungan ayam 闘鶏)

バリ人はサブンガン・アヤム(闘鶏)を外国人である我々にコックファイティングと説明する。キンタマーニ村でガルンガンかクンニガンの祭りの際によく見た。民家の広い庭に人々が駕籠にいれた雄鶏を持ち寄る。首筋をなでてリラックスさせ、雄鶏同士の顔を突き合わせて闘志をかきたてることを繰り返す。

鋭く研がれた5センチ以上もあるナイフを丁寧に包まれた箱の中から選び出し、太い蹴爪に結びつける。進行役の男が賭けをつのって「サヤサヤ」とか「チョウチョウ」とか叫びながら周りを囲む人々の金を預かっていく。すべて記憶に頼っているところがすごい。互いに飛び交って相手の首筋をナイフで蹴る。たいがい一瞬に勝負がつくがたまに長引き、おたがい戦意を喪失する場合がある。こんなときは2羽をおなじ駕籠に閉じ込めて無理矢理に闘争させ決着をつける。勝敗を決した後では掛け金に応じた金を配り歩くが正確に分配していくのがすごい。記憶方法にどんなコツがあるのだろう。

邪鬼を鎮める鎮魂と男たちの闘争本能賭博本能を満たす仕組みになっている。賭博に狂わない術が仕組まれている。

負けた方つまり殺された鳥は直ちに解体されて持ち帰られ胃袋に収まる。

表向きは禁止され祭礼に限って開催される。

かつてクタやスミニャックでもちょっとした空き地に特有の鳥かごを見かけた。そしてその横には必ずいとおしそうに雄鳥の首筋をなでている姿を見かけたものだ。最近は町中でそのような光景を見ることがない。気になったので知り合いのバッグ屋の親父に聞いてみると闘鶏を見つかると刑務所(拘置所?)に入れられ、出るためには罰金を7万円ほど払わなければならないそうだ。


闘鶏を紹介する書物には、闘鶏はブト・カロと鎮める儀式で、流れる血を神または魔に捧げるとある。一種の生け贄行為と理解したが、傍目には男共が熱中する闘鶏には賭け事とK1的格闘技に熱中する観衆の喜びだけがあるように見える。胴元は数千円、周りは数百円を掛けて勝負する。鶏を顔面ぎりぎりまで近づけると雄鳥はとさかがふんわりと盛り上がり、羽根を逆立てて闘争心を丸出しにする。その挑発を何回も繰り返して鳥の闘争態勢を盛り上げていく。大相撲の仕切り直しと同じ盛り上げのセレモニーだ。十分アドレナリンが出て盛り上がったところで鶏のオーナーが手を放す。

お互いに高く飛び上がって蹴爪にしっかり結びつけたタジと呼ばれる鋭いナイフで相手の首をねらう。見事に跳び蹴りが決まると一瞬にして相手は崩れ落ちる。勝負あった。もたついたり、一方が逃げ出す場合もある。そんな時は一緒に籠に入れてはなす。しかたなく闘争にはいると籠を取り除く。負けた方、つまり倒れた鶏はすぐさまその場で解体されオーナーが持ち帰って食べる。あるいは周りのサテ屋で焼いてもらうのかも知れない。

周りの観衆は始まる直前まで掛け金を握りしめて、そして掛ける。このときのかけ声が面しろい。
「ちょっ ちょっ ちょっ・・・」「がさ がさ がさ・・・」などと叫ぶ。当分の間私は単なるかけ声だと理解していたが実は意味があった。ちょっ(cok)は掛け率が四対三、がさ(Gasar)は五対四の意味だったのだ。外に「さま」が同率 「るど」が三対二などがある。

現在はガルンガンなどの儀式の際に闘鶏を行うが、警察に事前に届けるという。3時間などと時間を制限するか3試合とするかいずれにしてもきちんと事前に届けないとまずいことになるらしい。

なぜ規制しているのかはいまだわからないのだが、賭に対するイスラム国家の禁止行為と最近の鳥インフルの防止双方をかねて規制が強くなっているのだろうと推測している。

March 2, 2009

タマン・アユン の闘鶏場

 闘鶏を描く

 ネカ美術館収蔵 闘鶏 sabungan ayam 1995 60*90 アリー・スミットより寄贈

「そこで流される血が、男性の持つ賭け事への情熱を含めた魔法の力を満足させるのである。」と解説にある。

ネカ美術館収蔵 闘鶏 sabungan ayam 1971 イダ・バグース・マデ・ボレン
 
「タジェン(闘鶏)で血を流すことで、ブタ・カラ(邪鬼)を鎮める。さもないと、災厄がもたらされるからである。」と絵の解説にある。

解説ではサブンガン・アヤムと記されているが、バリ人も外国人である我々に対してはコックファイティングと説明する。キンタマーニ村でガルンガンかクンニガンの祭りの際にタジェン(闘鶏)をよく見た。民家の広い庭に人々が駕籠にいれた雄鶏を持ち寄る。首筋をなでてリラックスさせ、雄鶏同士の顔を突き合わせて闘志をかきたてることを繰り返す。

鋭く研がれた5センチ以上もあるナイフを丁寧に包まれた箱の中から選び出し、太い蹴爪に結びつける。進行役の男が賭けをつのって「サヤサヤ」とか「チョウチョウ」とか叫びながら周りを囲む人々の金を預かっていく。すべて記憶に頼っているところがすごい。互いに飛び交って相手の首筋をナイフで蹴る。たいがい一瞬に勝負がつくがたまに長引き、おたがい戦意を喪失する場合がある。こんなときは2羽をおなじ駕籠に閉じ込めて無理矢理に闘争させ決着をつける。勝敗を決した後では掛け金に応じた金を配り歩くが正確に分配していくのがすごい。記憶方法にどんなコツがあるのだろう。

邪鬼を鎮める鎮魂と男たちの闘争本能賭博本能を満たす仕組みになっている。賭博に狂わない術が仕組まれている。

負けた方つまり殺された鳥は直ちに解体されて持ち帰られ胃袋に収まる。

表向きは禁止され祭礼に限って開催される。

 

広場があった。大勢の男たちの人だかりが二重三重となっている。中を覗くと、二羽の鶏が地上高く跳躍しているところだった。 

見慣れた男たちは殺気立ち賭博場の危険な感も少し感じる。鶏は右足首に10センチほどの丁寧に研がれた鋭利なナイフを縛りつけていた。にわかに喚声があがり勝負がついたことがわかる。

鶏が着地した時に他の一羽が倒れている。こうして一瞬のうちに勝負が決まることもあればなかなか勝負がつかないときも多い。オーナーがしっぽを捕まえて口から息を吹き込んで元気を与える。なんども繰り返してどちらかが戦意を喪失して逃げまどうこともある。その時は籠に入れられて勝負を無理やりつけさせる。狭い籠に入れられて逃げ場を失った鶏はどちらかが倒れるまで闘うしかない。

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