まさおレポート

バリの風景 凧・ラヤンラヤン

バリの子供たちは凧揚げが上手 2009-06-23
ビラは通りから100メートルほどはいったところにあって、幅3メートルほどの小道が続いている。このあたりにすむ7,8歳の男の子たちにとって、この小道は格好の遊び場になっている。ここで彼らはサッカーや凧揚げをして遊ぶ。

バリの大人たちも凧揚げが好きで、時折ビーチで大人がひとり黙然と凧をあげている。この風景は素敵だ。きっと長い歴史があるのだろう。そのせいで子供たちも非常に凧揚げがうまい。大人たちの幅1.5メートルの大凧を家から持ち出して長いタコ糸で大空に泳がせる。空高く浮かんでいるさまは鷲のようにも時には飛行機のようにも見える。揚げるときは走って揚力をつけるのが大変そうだが、いったん上がってしまうと浜風が強いので電柱につないでいても安定して長い時間浮かんでいる。時折車やバイクが小道に入ってくるとタコ糸が絡まったりして少し厄介なことになる場合もあるが、なんとかうまく切り抜けている。

たこ揚げの季節到来 2010-07-15 

ここのところ空高く舞い上がっているタコを頻繁に見かけるようになった。つい最近は鷲をかたどったタコが浮かんでいた。これは本当の鷲が飛んでいるように見える。今日は10メートルくらいありそうな長いタコがストライプも鮮やかに空に吹き流れていた。これは日本の鯉のぼりの吹き流しを連想する。

ジャワから来た人にタコの事を尋ねると、ジャワでもタコは飛ばすが一時期の事で、バリのように年中飛ばすことはあまりないとの答えだった。つまりバリ人は凧揚げが一層好きだとのことなのだろう。
 
ヒンドゥの島バリのガルーダ信仰とタコ揚げの盛んなことはどこかで通じているのだろうか。日本ではお正月の子供の遊びだが、バリでは大人も率先して楽しんでいる。
 
少年たちが大きな凧を持ってやってくる 2011-06-19

木の枝にかかった凧がとれた 2011-06-22

朝食後ふと眼前の窓を見上げると糸の切れた凧が浮かんでそしてすぐにどこかに去った。以前にビラの高い木の枝に引っかかった哀れな凧ではないかとそのあたりをみるとそれが無くなっている。糸が頑丈でほとんど取れる可能性がないとみていた凧が絡まった枝からとれてどこかへ去った。おそらく何重にも絡まった頑丈な糸が枝と切れて飛び去るなど奇跡に近い。今朝は喉の奥の小骨が取れたようでとても嬉しい。

最近の凧はプラスティック製で腐らない、朽ちない。鉄は錆びて朽ちるから美しいと鉄の彫刻家クマさんが言っていたがその通りで、反対に朽ちないプラスティックのごみほど醜いものは無い。堂々と高くそびえた木の枝は神聖を宿すほどに神々しく見えるが、この樹木に絡みついたプラスティックの凧は不吉の象徴に見えていた。

サヌール国際凧揚げ大会の後で事故も 2011-08-07

先週の日曜日に見たサヌール国際凧揚げ大会の後でやはり事故もあったらしい。又聞きだから真偽のほどはわからないが帰路大凧を運搬する車でなんらかの事故があり大勢が亡くなったという。日本の祭りでも灘のけんか祭りなどときどき事故があるが、人々が異常に高揚すると日頃やらない荒いこともやってしまい、事故につながる。

このサヌール国際凧揚げ大会でも各バンジャールやグループの旗をもった若者がバイクで集まってきたが、一様に顔は普段の穏やかなバリ人の顔ではなく、高揚した顔をしていた。6センチ以上ありそうな太い竹を芯にして作った巨大な凧は重量もかなりのものになり、風を受けて不安定になる。これが車の荷台からあるいはくずれおちたら、そして荷台に乗っている大勢の人を巻き込んだとしたらかなり恐ろしいことになる。

巨大凧を引くロープはこんなに太くて長い

 

サヌールの凧揚げ 白装束に注目 凧揚げは神事なのだ

サヌールの凧揚げ会場に向かう若者たち バンジャールの旗を持っている女子 トラック荷台は凧運搬用に竹組で土台が施されている。

はためくバンジャールの旗、旗、旗に注目

日曜日の昼下がり、突然サヌール湾に現れた地元の船17艘。どうやら凧あげ大会のセレモニーの一種らしい。

月と旅人と南十字星

この絵はネカ美術館所蔵で(ポールナガノ 1938~ ホノルル 月と旅人と南十字星 1988 76.2*56.5)と解説にある。バリではこの南十字星はビンタン・ラヤン・ラヤン(凧の星)と呼ばれることも知った。なるほどサヌールでよく上がっている凧に見える。西洋では十字、バリでは凧いずれも親しんだものからネーミングを考えている。

南十字星はどこに見えるのか

つれあいの両親がバリに遊びに来られた。父君から南十字星はどこに見えるのかと質問があったが、どこかで誰かに教えてもらった記憶はすっかり失念している。ネット検索で見るとクタ海岸の上方30度の方向に見えるという。α星、β星と呼ばれる一等星が目印になり、その二つの星を結ぶ直線上に4つの十字に見える星があるという。

7時ごろ早速空を見上げたがあいにく満月で空が明るすぎる。その後8時過ぎに空を見上げると確かにその方向にα星、β星と十字のうちの3つまでが見えた。上部の星はときおり見えるが雲の加減か見えなくなることが多い。

 

追記 日本でもこんな事故があった。 2016年6月1日

事故は昨年五月三十一日、能登川地区の市ふれあい運動公園で発生。百畳敷きの大だこ(縦十三メートル、横十二メートル、総重量七百キロ)が上空から落下し、見物していた堺市の男性=当時(73)=が死亡、六人が骨折などの重軽傷を負った。県警は今年三月、市職員ら三人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。

 東近江の大だこ揚げは、江戸中期から続く国の無形民俗文化財。実行委は事故を受け、今年の開催中止を決めている。

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