みなさん、明けまして、おめでとうございます。 いろんな事情から、しばらく休眠状態だったブログの書き込みを今日から再開しますので、これからもよろしくお願いいたします。 さて、元旦の朝日新聞の特集「学ぶ楽しさ」に掲載された谷川俊太郎さんの「かすかな光へ」という詩をご覧になった方も多いでしょう。「えぷろんの朗読本棚」というブログでは、さっそくこの詩を朗読しておられます。詩は声にすることで、ことばのもつ本来のちからを発揮するものです。ぜひ聴いてみてください。 かすかな光へ 谷川俊太郎 あかんぼは歯のない口でなめる やわらかい小さな手でさわる なめることさわることのうちに すでに学びがひそんでいて あかんぼはうれしそうに笑っている。 言葉より先に、文字よりも前に 波立つ心のささやかな何故?が芽生える 何故どうしての木は枝葉を茂らせ 花を咲かせ四方八方根をはって 決して枯れずに実りを待つ。 子どもは意味なく駈け出して つまずきころび泣きわめく にじむ血に誰のせいにもできぬ痛みに すでに学びがかくれていて 子どもはけろりと泣きやんでいる。 私たちは知りたがる動物だ たとえ理由は何ひつつなくても 何の役にも立たなくても知りたがり どこまでも闇を手探りし問いつづけ かすかな光へと歩む道の疲れを喜びに変える。 老人は五感のもたらす喜怒哀楽に学んできた 際限のない言葉の列に学んできた 変幻する万象に学んできた そしていま自分の無知に学んでいる 世界とおのが心の限りない広さ深さを。 今こそ、日本社会を覆っている混迷や声高に叫ばれる価値観に惑わされることなく「学びの原点」を見つめなおしてみるときではないでしょうか。
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