蔵王まで

高校のころ、冬になるとスキーに出かけた。
毎年、泊りがけで田沢湖にも行った。
同級生のおやじさんが大学のスキー部のコーチということもあり、合宿で使ってる
旅館が格安になると。

確かに、乳頭温泉の旅館では1泊2800円くらいで二の膳、三の膳で食いきれない
ほどの料理を出され。
その旅館は風呂が脱衣場だけ分かれてる混浴。
若いおねえちゃんたちの声が聞こえれば域をひそめる小心者たち。

3年か4年のころ、大学のコーチの研修会が蔵王であるというので同行することに
なった。
急行列車でスキーツアー、一路山形へ。
秋田県から山形県に入ったあたりで車内販売。
酒を買おうとワンカップ。
呑んでみると水で薄めたような気の抜けたような。

「山形の酒ってこんなに不味いのか？」
と、ラベルを見る。
”秋田市土崎”
うっ！地元・・・
名誉のために言うけど今、製造してるそこの酒は美味いよ。

ようやく到着した山形蔵王。
夕方だったけど旅館に荷物置いていざスキー場へ。
丁度、暖冬異変の年でほとんど雪がない。
草が見える状態でもせっかく来た蔵王。
上から一部だけ滑れる部分を探しながら。

これじゃ滑れないから旅館に戻ると言われ、しぶしぶ引き上げる。
2泊の予定が翌日帰ることになる。
そんじゃせっかく蔵王まで来たんだから温泉と言えばストリップだろうと。
幸い（？）旅館の近くでストリップの看板発見。
おお！旅の恥はなんとかで胸張って「学生」と入場。
前のかぶりつきを陣取り、貸しきり状態。

薄暗くなり、ムード音楽に合わせて登場した踊り子さん。
目がなれてくるとおばちゃんｈじゃねぇか。
って、それよりさらにしわくちゃのおばあちゃん？
特技と称してあそこにタバコなど入れて。
それでもせっかく来た山形。そしてこづかいはたいたストリップ。

友人が手を出してたしなめられて。
やんややんやと盛り上げて、逆におばちゃんに「ありがとう」とお礼言われて。
外に出てから「やっぱやめとけばよかった」と。
夢にうなされるもの見てしまったと。

それが2度目で最後の社会見学。