20年程前、小売店を創業し間もない頃、
面識の無いお婆ちゃんが竹籠を背負いやってきました。
背中は丸まり、かなりのご高齢と見受けました。
その行商のお婆ちゃん、店の入り口で包みを解き
何本かの苗木を出して、私の店先で店開き・・・
お婆ちゃん曰く
私は雪深い島根からやってきました。
持って来た苗木を買っておくれ。
当時は全くゆとりもなく一円のお金も無駄に出来なかった頃。
丁寧におことわりしました。
それでもお婆ちゃん、一本の木を手に取り
この桜は接木をしてるから、
何年か経つと美味しいさくらんぼが採れるよ。
きっと、買ってて良かったと思うから買っておくれ。
そして・・・
小遣いも無かった私ですが、情にほだされ買ってしまいました。
それから20年の時が過ぎ・・・
今日は快晴。
青空の下、沢山のさくらんぼが熟れました。
一期一会
お婆ちゃんに二度とお逢いする事も出来ない程の歳月が流れました。
お婆ちゃん、今年も美味しいさくらんぼが一杯採れましたよ。
あの時はありがとうね!
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