まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

どういう情緒

2021年03月05日 22時53分00秒 | 日々雑感

駅ビルの中の書店を通りかかったとき

『人に話しかけられやすい人になる方法』的な内容の題名が目に入った。

本当の題名を書くと申し訳ないので曖昧にしておくけど。

この本は別に悪くない。

わたしがこういう本を好きじゃないだけだ。

好きじゃないなら手に取らなければいいだけなのに、

もはや人に話しかけられたいわけでもないのに手を伸ばしてしまったのは、

本の内容が、自分の予想と合っているかを確かめたい衝動を抑えられなかったからだ。

ページをめくると目に飛び込んできたのは

『ゆっり話す』。

はは、やっぱり。

ゆっくり話すとか死んでも無理だ。

以前、同じ職場にとても人から好かれる人がいて、わたしはその人が苦手だったのだけど

その人のありようが、自分とは真逆だったので

(ああ、こういう風にすれば人に好かれるのだな)と思ったのと同時に

ということは、今のままでは大多数からは好かれないわけだな、と悟った。

もっと昔に分かっていてもよさそうなものだけど。

でも、もうすでに大勢から好かれることがそんなに素敵なことでもないというのを知っていたので

もしくは、そんなに素敵なことじゃないという負け惜しみを言えるようになっていたので

やっぱりそういう事実を、あんまり昔に分かってなくてよかったなーと思う。

その本をパラパラめくって、1ミリも自分に合致することが書かれていないことに

なぜか深い満足を覚えて書店を出た。