子供の頃は、あれこれ欲しかったが大人になってからは物欲がない。
今欲しいものは二つだけ。
「家」と「ダイヤのネックレス」。
物欲がないと言ったそばから・・・
でも、本当にこの二つだけなのだ。
しかも家は手に入りそうにないし、ネックレスだって欲しいなーと思うだけだし。
ブランドバッグや財布など興味もないし。
洋服はユニクロと無印でたまに買うだけだし。
至って質素な物欲なのだ。
ネックレスは何度かショップに見に行ってるのだが
これという決め手が無いのと、素敵な販売員さんに当たらず二の足を踏んでいる。
わたしにとってダイヤのネックレスは何度も買うつもりのないものだ。
だって物欲があまりないから。
いくつも持っているうちのひとつではなく、唯一の物になる予定だ。
ということは、つけるたびに買ったときのこともセットで思い出すだろう。
だから、いい販売員さんから買いたい。
つける度に「いい買い物した」と思いたい。
もうこうなると物欲うんぬんというより、妙なこだわりのある面倒くさい客である。
先日もガラスケースをのぞき込むと、早速声をかけられた。
ーどんな物をお探しですか。
「そうですね、ダイヤであまり大きなペンダントトップではなくて・・・」などと
いくつか条件を述べると不意に
ーお客様のものですよね?
え。
ああ、そういうことか。
誰かへのプレゼントかも知れないということを聞いているのだ。
この質問、20代や30代の客にはしないに違いない。
自分のための物に決まっているから。
娘にプレゼントをする母親が、少なからずいるのだろう。
なんでわたしが、いもしない娘にダイヤのネックレスをプレゼントしてやらにゃならんのだ。
というより、そんな大きな娘がいるように見えたことに腹を立てているわたし。
つまらんことに腹を立てて・・・と思うけど。
別の店では、前はシルバーが好きだったけど最近はピンクゴールドが好きだと話すと
ー年齢を重ねると、好みって変わってきますよね~。
そんなに重ねてないっちゅうの。
いや重ねてるけど、それを言われたくないんだよ。
というか、そんな意味で言ったんじゃないのかも知れないのに
いちいち敏感になるのが年を取った証なのだ。
自分が年を取ったと、自分で思っているから、いちいち敏感に反応してしまうのだ。
くだらない。
けど仕方ない。
こんな調子では、一体いつになったら買えるやら・・・