まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

猛獣使い

2003年08月28日 21時42分00秒 | 日々雑感
本屋に立ち寄り、少し読んでいこうと備え付けのテーブルに近付くと、クマが寝ていた。

もとい、クマのような娘がテーブルに突っ伏して寝ていた。

真っ黒に焼けた肌に金髪、ノースリーブからのぞく盛り上がった二の腕を持つ娘が爆睡していた。

うわ、なんかすごい。

学生時代の教室ならいざ知らず、社会に出ると

電車やバス以外で眠る他人を見る機会はほとんどない。

しかも、うたた寝といった程度ではなく本格的に寝ている。

なんだか見たくないものを見てしまった気がしたが、仕方なく本を読み始めた。

しばらくしてクマ、いや娘の所に男の子がやってきて「もう行こうか」と声をかけた。

顔が見えないのが残念だが、背格好は普通で、多分このクマより華奢である。

話し方も優しい感じだ。

声をかけられたクマは、いや娘は「んがっ」と起きて

「めっちゃ寝ちゃったぁ」と甘えた声を出した。

クマのくせに。

「これ、ゴミ?」

男の子がたずねる。

その場所は飲食禁止なのだが、どうやらクマがお菓子を食べ散らかしたらしい。

彼はそれをきちんと片付け、荷物を持ってやり

クマが座っていた椅子を、きちんとテーブルに戻してクマと一緒に去って行った。

野生動物には愛情を持って接さなきゃいけないんだな、とわたしは思った。

コメント
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