mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

雨の谷間に

2014-06-30 00:33:44 | 〈風の部屋〉


この日は朝から天気予報は雨だった。

降ったり止んだり

わかっていたのに、どうしても欲しい本があり、お茶の水の古本屋へ出かけた。

一時間ぐらいはふらないか
雲の流れがいきなり早くなり


滝のような雨になった。

辺り一面が豪雨に見えなくなった。


「走り出してはいけませんよ。止むまで、お待ちなさい」
あの人の声が聞こえて


わたしは雨が上がるまで、三十分以上立っていた。