映画:レディ・チャタレイ

2008年02月20日 | 映画・本
レディ・チャタレー 2006年 フランス/ベルギー/イギリス


 監督:パスカル・フェラン 出演:マリナ・ハンズ、ジャン・ルイ=クロック、イボリット・ジラルド

『チャタレイ夫人の恋人』と云えば…
日本では1950年に伊藤整という作家が翻訳し(確か、第3稿の翻訳だったはず)、
即刻 猥褻文書頒布罪で起訴されたので、如何わしい話と思う人が多いけど、
作者のロレンスは英国の上流社会を皮肉った小説を連発し、
現在風に評せば― 文壇のテロリストって感じでしょうか?

今回 フランス映画での「チャタレイ夫人の恋人」で、
原作の第2稿を基に撮られた作品です(故に恋人役名が”パーキン”)。
小説や今までの「チャタレイ…」映画作品などと比べると、
微妙に話が違ってたけど(あまり社会批判的な様相や泥仕合の離婚場面がなく)
深い森に覆われた中における二人の関係だけを焦点に置いた第2稿は良いと思う。
ただし、主人公の記憶の断片を表現しているのか…?
それぞれのエピソードごとの場面転換を、
ぶちっ切れる様な感覚での暗転が気になった(多用していたし…)。
森の木々、野原、せせらぎ、黄色い水仙にはじまる各種の花々の美しさなどなど
視覚的に森林浴してる気分になりました。
ドロドロの離婚劇も、作品ゆえに濡れ場を楽しみにしても
身分の違いを超えた切なく美しいロマンスを期待しても

肩透かしされる「レディ・チャタレイ」

こやぶんは― 久しぶりに文芸作品を観た気分となりました。

こやぶん評価:(原作との読み比べがオススメ)




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