たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

北八ヶ岳・茶臼山(2384m)

2021年02月24日 | 心に残る思い出の山

H11・6月14日 

5時間50分 (歩行3位間05分  休憩2時間45分)

日光・太郎山登山の翌日、4時半起床 雄さんのお弁当、娘の朝食、自分のお弁当を作り準備が終えた6時、約束の時間ピッタリにNさんとTさんが迎えに来た。 Nさんが雄さんにと八海山」を持って来て下さったので、さっそく「Nさんより」と書いて炬燵の上に置き出発。

ガスが行き交うシラビソの道を約30分、中小場山頂着。眼下に緑一色の樹海が茶臼山に続いている。此処から吸い込まれる様に緩く坂を下って行くと、そこは北八つ特有の針葉樹林と苔が織りなす森閑とした世界。時折り野鳥の声がその静けさを破っていた。 時にその姿を見せ付けるかの様に私達の前に現れ木から木へと伝い飛ぶ。雄さんが居たら名前は判るのだが背が青い美しい鳥だった

やがて茶臼への登りに入ると標高差はあまり無いのだが石がゴロゴロした一直線の登りにけっこう息が切れた。 苔に異常なまでに興味を抱くNさんも今は苔を無視して口数が少ない。遮二無二登り詰めると前方に山頂を示す標識、やっと着いた。

茶臼山頂は木々に囲まれ眺望は閉ざされている。北西方向に行けば隣の山くらいは見えるだろうと五分ほど移動したが景色は白一色。おまけにガスの流れがキツイ。三人の登山者がガスの流れをまともに受けて休んでいる。私達は岩陰にリュックを下ろした。

Tさんがザックから赤ワインを、おもむろに出す。今の今まで一言も口にしなかったので「エライ!やはり山にアルコールは付きものよね~」とNさんと私。しかし女性ばかりが店を広げれば私が持ってきた副食以外、出て来る物出て来る物、甘い物ばかり、雄さんが一緒だったら苦笑した事だろう。

お箸を忘れてしまって・・・Nさんが作ってくれた小枝の簡易箸

時折り日が射して明るくなると薄絹を透かした様にガスの中に隠れていた縞枯山の美しい縞模様が浮かび上がった。 もはや諦めていた展望はスポットライトを浴びたほんの一塊だったが、その度に岩から飛び出て私達は感嘆の声を挙げていた。

縞枯山

2000年前から縞枯れ現象が起き100年単位で更新しているとの事

 

時間が足りない事も有り縞枯山は割愛。苔むしたコメツガの原生林をなだらかに下って五辻に降り立つと何時の間にか青空が広がり濃い霧に閉ざされていた山々がこぞって姿を現した。すぐ前の繁みの中から、もうスッカリ成長したウグイスの美声も聞こえてくる。

現在は冬季、カントリースキーのツアーコースとして利用されているこの道は、昔、山越えの交通路だったそうで、その名残の立札が随所に見られる。その道を歩いて行くと景色はどんどんメルフェンチックになって行き、そんな高原ムードが酔わせたのか何時しか三人とも文学少女。ちょっぴり気どった詩的な言葉が飛び交う。

   

ミツバオーレンとオサバグサの花

狭霧苑地、大石峠の分岐を大石方面に取り道端に白い帯を作るミツバオーレンを愛でながら歩いて行くとオトギリ平に出た。周囲をシラビソに囲まれた明るく広々とした空間で格好のベンチまでセットされている。私達はここを最後の休憩地とした。

もともと山を丸抱えして持ち帰るといった山登りをして来た私とは反対に基礎訓練から始め山男に混じり置いて行かれまいと花にも目を向けず、ただ歩くだけの山登りをして来たNさんは家に帰らずそのまま会社へ出勤する事もしばしばだったと、そこでエピソードを洩らした。

三人寄れば話は尽きず小休止のつもりが50分も長居してしまっていた。慌ててザックを背負い大石峠には行かずコケモモの庭に下る事にした。Nさん、苔を見ては感動し説明を始める、興味が有るかどうか解らないが、その度に相槌を打つTさん。私はなるべく近寄らない様にした。

そうした道中を続けている内、樹林が切れて一転、足元はお花畑。此処がコケモモの庭であると言う事は後で知った事だがオトギリ平でコースを変更した事が結果的に良かった事を喜び合った。ここから麦草林道を横断して遊歩道を行けば出発点の麦草ヒュッテも近い。車を置かせて頂いたお礼にコーヒーでも飲んで行く事にしよう! コメント欄はお休み致します。

コメント (8)
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