『 会津鶴ヶ城 』
墓参りをこの数年の間とても気にはしていたのだが実現の機会がなく、ましてや身体上のことでは
行ける自信もなく、果たせぬままに長い時が経ってしまった。
雅ちゃん由美ちゃん夫婦のお陰で決心がついたわけだ。その強い誘いと、車の運転、電車、旅館の
手配まで何もかもやって貰った。階段や坂道では手まで引いてもらった。
この会津行には幾つかのどうしても,したいことや行きたい所という希望があった。
もちろん両親の墓参り(もうだいぶ空いてしまった)を第一として、疎開して最初に住んだ家、
その近所にあったきれいな小川、幕府の天文台(いい遊び場だった)。ここの家は母と兄との3人で
天皇の終戦宣言のラジオを聞いたところである。
鶴ヶ城の天守閣から若松市内を俯瞰的に見てみたい、5年生までいた町の中心部にあった家を見たい。
市内の親戚を数軒訪ねたい、そして小学時代の友達も訪ねてみたい。東山温泉の湯に久し振りに入りたい
もの等々のことであった。こんな郷愁に駆られるのも、自分が今や完全に老境を迎えかなり老化も進んで
いるという事かもしれない。
天気にも恵まれ、疲れと足腰の痛みや不便を除けば、お陰で気持よく三日間でそのほぼ全てを果たせたのである。
心はホッコリとして、体はぐったりというのが今日あたりの心境である。