あてがいっぱい @ あて（市ヶ谷）

お酒と一緒につまむ、ちょびちょび料理を肴と言ったり、おつまみと言ったりするけど、
そういえば　あて　ってどこから来てるんだろう？
充て？当て？aｔｅ？（過去形になっちゃった）

などと思いつつ、向ったのは　あて　という名前のお店。

もともとはニシザワ酒店さんから教えてもらったのだけど、
市ケ谷の駅近くの路地奥に、こんなお店があったとは！

昭和34年築の古い一軒家の・・・とは聞いていたけど、イイ雰囲気だ～。
淡い灯火、軒先にかかっている酒林にも、期待感が膨らんでしまう。

がらがら・・・と戸を開けると、「家にあがる」ような玄関だし、靴も脱ぐし、
古民家を生かした、年季の入った天井、照明、壁・・・まるで　「おばあちゃんちに来た」　ような。

カウンターの中の調理器具や菜箸、鍋などなども、統一感がある　“懐かしい感じ”。

オープンキッチンにはカウンターがつけられているのだけど、この日はもういっぱい！残念(>_<)～。

その後ろには、ちっちゃな　ちゃぶ台　が二つ置かれていて、我々はそちらへ。

席には、すでにお箸とお猪口が置かれている。
「あてと一緒に美味しい日本酒をどうぞ」って感じかな、何だか嬉しい。


さてさて、エビス生をきゅーっと飲みながら、あてのメニューを見る。
定番のものもあるけど、本日おすすめは、こんな黒板に。

う～～ん、どれもこれも美味しそうで迷っちゃう。

でも最初は、やっぱり今の時期しか食べられない　生しらす　いっときましょう～。

「ねぇねぇ、これ、すんごいおっきくない？」と、見た瞬間に言う友達。
たしかに。プリプリしてる。
それに噛むと、ねっと～～～りと旨みが出てくるのだ～。おいしい。

そして、つぶ貝のぬた　は、こんな風に出てきました。

つぶ貝が下に隠れちゃって見えないくらい、たくさんの野菜。
茹でてあるような人参やキャベツなんかも一緒に和えてあるなんて、なかなか見かけないよなぁ～。

茄子の酢の物　も、さっぱりしているのだけど、これまた魅力的な味わい。

友達は“南蛮漬けのような？”と表現してくれたけど、うんうん、そんな感じ？！
でも、茄子もあまり酢の物というイメージはないから、これまた新鮮。

懐かしいような“あて”だけど、ちょっとずつ工夫している感じが、なんだか好感度大。


さて。
お店は“おばあちゃんち”のようなのだけど、３人の店員さんは、元気がある若いおにいちゃんたち。

２人はカウンターの中で料理をしていたので、
フロアーでハキハキ対応してくれている方に、名前を聞いてみたら
「マネージャーの小林ですっ！たすき！とも呼ばれてます！襷してるから！」
と、満面のにっこり笑顔。なんだか面白～～い（笑）。

“マネージャーたすき小林さん”に日本酒は最初は冷たいもののオススメを聞いてみると
「香りが大人しくて、最初に良いかも。」と出してくれたのは　石鎚　。
冷たいのも、一合徳利に入れてくれる。

最初は友達とさしつさされつをやっていたけど、そのうち手酌～。
自分のペースで飲むのがいいもんネ。

お酒の揃えは多すぎず少なすぎず、各県に一種類くらいで、冷たいのも温かいのも。
「すみません！而今と神亀、売り切れで～～～すっっ（汗）！」と、マネージャーたすき小林さん。

でも、他にも美味しそうなのはいっぱい。
昇竜蓬莱　や　高津川　などをお燗で。
お燗も、カウンターに置かれている８本近くは入れられそうな燗処が備わっている。
いいなー、コレがまた雰囲気あるのだ。

話もお酒もすすみ、もちろん“あて”も、ちびりちびりとつまむ。
　
かれいの昆布〆　に　イカわた焼き　。
土っぽ～～いかれいが、イイ感じに昆布の風味が感じられる。わた焼きも、まさに“あて”。

　
つぶ貝煮　に　カウンターの大皿に盛られて食べたくなっちゃった　出汁巻き玉子　。
また“ぽんぽん尻尾出し”を披露して、友達が「おおー！ホントだ！　スゴイ！」

それにしても、あてのちょびっと感がいいなぁ～。

けっこう種類を食べてる気はするけど、一皿一皿がこぢんまりしてるから、色んなものがつまめて嬉しい。
もし一人だったとしても、けっこう種類が楽しめるんじゃないかなぁ。

そして、だんだんと、味付けの濃ゆいあてになっていく（笑）。
　
かさご煮付け　に　いかゴロ丸干し　なんかは、もう終盤にちょびちょびお燗とつまむにぴったり。

竹鶴　とかも頼みたいけど、　天遊琳　も飲みたいな～。
生酒なので最初は冷たいのを頂いたのだけど、お燗とも飲み比べをしたくて、
マネージャーたすき小林さんに　「飲み比べをしたいので、もう一つお猪口を・・・」とワガママを。


お酒も美味しいし、もちろんあても美味しいから、止まることなくずーーっと飲んで食べて喋って。
けっこう長居してしまったけど、お客さんはひっきりなしに来て、ずーっと賑わってるのもスゴイ。

８人座って満席かな？と思ってたけど、お一人さまがやってきたら
「すみません、みなさん、ちょっとずつ詰めていただいて、一席分作っても良いでしょうか？！」
と、親切なはからいも。

お店に年季の入ったおばあちゃんは居ないけど（笑）、
とっても温かいものを感じる、居心地のい～～い雰囲気。

また違うあてと日本酒をつまみに再訪、そして今度はカウンターに座りたいな～。


[あて　～煮込　肴～]
東京都千代田区九段南4-8-34 
03-3262-0044
11:30～14:00／17:00～24:00
定休日：日曜日