今回の蔵巡りは、広島は 竹原 からスタート。
まずは…
竹原上陸にあたり、竹鶴の専務に感謝しなければいけない出来事が(>_<)。
空港から竹原までは、時間を考えるとタクシーが一番良いのだけど、
通常は5000円かかるところ、一人1000円の乗り合いタクシー を教えていただき、
しかも「飛行機が遅れても定刻になると出ちゃうから、予約しといた方が無難です。」
というアドバイスが、まさにビンゴ。
我々のフライト、悪天候で15分ほど着陸が遅れてしまったけど、
予約で電話を入れていたお陰か、他の人たちを乗せても、待っててくれました(>_<)
(ちなみに、安全タクシー 0846-22-0842)
そうして、無事に竹原着できましたー!!
竹原は 美観地区 として古き良き町並みを保存していて、観光散策するのにとっても良い感じ。
「うつわ屋」なんかステキ~。中には年季の入ったお雛様が飾ってあるぞ?!
「遊山」という看板のお店は、石臼自家製粉 手打ちそば。ここも良さそう~。
とはいっても、まだお店が始まる前の早い時間なので、通りはひっそり。
だって蔵に行くなら、やっぱり早い時間から行動したいもの。
ということで、10:00前には 竹鶴酒造 に到着。
ちゃんと景観もキレイに保たれていて、いつ見ても「うっとり」な構え…。
観光名所の一角でもあるので、
「ニッカウヰスキーの創設者、竹鶴政孝の生家でもあります。」と案内も。
ではでは、おじゃまします♪
この日は生憎、専務さんは出張でご不在。
とはいえ、ありがたいことに 石川杜氏 自らご案内してくれるとのこと!!
「お久しぶりですーーー!!!!」
去年の11月に 生もとを飲みつつエロス論を聞く会 でお会いして以来。
相変わらず、温かく包み込むように迎えてくださる大きな体…ステキです。
では、さっそく蔵見学を。
…と思いきや。
ちょうど、10時からは蔵人さんの1時間休憩ということで、
コタツ上がらせていただいて、みなさんと一緒にまった~~り(笑)。
でも、ここでの石川杜氏のお話が、本当にほんっと~~~~に「来て良かった」と思えた。
特に “生もとの起源” というのを考えてらっしゃる石川杜氏、
熱心に色んな文献を読み、色んな事に考えを巡らせていて、
この日も、その想いを熱く熱~~~く語ってくださいました。
そんな言葉を、いくつか自分のためにも備忘録メモ。
★歴史的に記録が残っているワケではなく、杜氏曰く、飽くまで想像の域デス。
【生もとは阿波晩茶にヒントあり?!】
・生もとは江戸時代にずっとあったワケではなく、突如後期に現れ、そして短時間に日本に広まる。
・この辺、ブーム好きな日本人の何かつぼをついたっぽい。
・一気に広まったということは「誰でも何処でも」造れるお酒だったということなのでは。
・ではその起源は?と石川杜氏が目をつけたのが 阿波晩茶 。
・阿波晩茶は、緑茶とはちがい、発酵させるために “摺る” ということを行って作る 。
・ちなみに同じ阿波にはもっと歴史の古い(平安時代) “藍染め” の作り方にも “摺る” 作業がある。
・その道具がまたそっくり。
・そんな “摺る事” が、但馬という地域に伝わり、季節労働者であった杜氏を元に全国に伝わった?!
【阿波晩茶は“嗜好品”ではなく、生きるために必要なものだった】
・緑茶は “美味しさを楽しむもの” として日本に広まった。
・でも、阿波晩茶はかつての日本人にとっては “まずくても生きるために必要なもの” 。
・阿波晩茶は「美味しくしよう」として作られてきたのではなく、
「そういう味になった」というもの。
・日本酒、生もとも、本来はそういう存在のお酒だったでのはないだろうか。
【阿波晩茶に始まり生もとの話で心に一番残った言葉】
・酒は授かり物
・酒造りにおいては、阿波晩茶が生まれた当時の先人のような、知恵や精神を引き継ぎたい。
・その上で「美味しいものを作ろう」と思うのではなく、
「今の時代で、かつての精神を持っている先人だったらどう造るだろうか?」と考えたい。
なんか言葉にすると難しいな…
やっぱ「私の言葉」になっちゃうので、本当は石川杜氏の話を聞くのが一番と思う。
これは飽くまで私のメモ…ということで(汗)。
変な書き方とか誤解を与えるような表現で修正必要なのがあったら、ぜひぜひご指摘ください!
で。
こんな濃い楽しいお話を聞かせてもらっていれば、当然…
10時からの1時間休憩はゆうに過ぎて、気付けば12時!
再び、コタツに蔵人さんたちが「すんません、お昼ご飯にします」と仕出し弁当が。
石川杜氏の分もあったので、あぁ…ここまでか…と思ったら。
杜氏がオススメのお好み焼き屋さんを教えてくださって、
そこから戻ってきたら、午後は蔵を案内してくれると仰るではないか。
いやいや想定外!!
忙しい石川杜氏の体を拘束するのは12時くらいまでかな…と思っていたので、
ありがたや~~~~~(>_<)。
そんなワケで、我々3人で向かったのは、竹鶴酒造から徒歩2分ほどの本通にある ほり川 。
ちょうどお昼時だったのか、ほとんど満席!
壁には たまゆら のサイン入りポスターなんかも。
石川杜氏に教えてもらったオススメは 純米吟醸たけはら焼き 。
美観地区として、やっぱり観光客には「地酒」や「酒蔵」というのもやっぱりウリだろうけど、
それでも、こんなお好み焼きにも、竹鶴酒造の酒粕が使われていたり、
一合550円の日本酒も竹鶴!さっすがーー!! もちろんお燗で♪
というワケで、お昼ご飯中に竹鶴いただいちゃいました。
これが、その 純米吟醸たけはら焼き 。
ふっくら~~。
中を割ると、まさに「広島風」麺と野菜たっぷり
でも、麺が東京に比べて細いしあっさりしてる。
しかもメニューを見てると、麺は「うどん」と「そば」と選べるんだな~~。
+350円で、広島牡蠣 も乗っけてくれます。
何気に本場で「広島風お好み焼き」を食べるのは初めてかも?!
おいしかったぁ~♪
さてさて。
10時からお邪魔したのに、お昼ご飯を挟んで蔵に戻る…って、
なんだか「泊まりがけで辨天娘に行った時」みたいな感じだけど(笑)、
午後の部スタート!
甑(こしき)という、お米を蒸す窯。お米の蒸し方についての大切さを語ってくださる。
麹室、と書いて「こうじむろ」と読みマス。
ここでも、先人が元々使っていた、小さい「麹蓋(こうじふた)」について熱い杜氏。
大きな「麹箱(こうじばこ)」もあるけど、それは近代になるにつれて出てきたもの。
それは使わない、と。
2階に上がれば、大きな木の梁が。
「今の人は、自分の作りたいものに合わせて、自然のものを作り替える。
でも、昔の人は自然界にあるものに合わせてモノを作っていた。」
これが 生もと を作る時に “摺る” 作業をする櫂棒(かいぼう)。
この部屋で、生もとのお酒になる元が作られる。(難しいこと言うと「山卸し」する場所?!)
この部屋は、毎年夏の間に、床も柱なども 柿渋 を塗るんだそう。
上で書いた「山卸し」で使う大事な道具の一つが、この桶。
ここに、お酒の母「酒母」というのを入れて、櫂棒で “摺る” 。
ちなみに。
午後の部では、石川杜氏の「熱いエロス論」が大・炸・裂!!
をんなの私からは、さっきみたいな詳細は書けませ~~~ん。いや~ん(笑)
…って言っても、別に淫らな話では決して無い。
「人間って、どうやって後世に子孫を残す?!」っていう話が、
お酒造りにも精通することがあるんだなぁ・・・って、あ。
「精通」もそいえば「精が通る」って書くんだ(笑)。
みたいに、
石川杜氏ならではの「エロス」調で聞くとみんな熱くなっちゃうこと間違い無し?!
そして、前回伺った時にはなかった 木桶 がこれなんですね!!
なんか…この木桶だって立派な大きさなのに、
石川杜氏がそばに立っていると、木桶すら小さく見えてしまうのは私の気のせい?!(笑)
もとい。
木桶を前に、今回一緒に蔵巡りに来ている友達が聞いたことのやりとりが面白い。
友達は純粋に分からない気持ちで「木桶にすることで、何が良いんですか?」と聞く。
と、これまた純粋に分からないといった感じで「実はよーわからんですわ。」と杜氏。
「でも、分からないからこそ、魅力的ではないですか?」とも。
なんか…やっぱ石川杜氏は熱い。
「男のロマン」みたいなのが、ヒシヒシと感じられる。
そして。
人間は地球の長い歴史の中で、きっと一瞬しか繁栄することはできないのだろうけれど、
このタンクの中にいる生き物たちは、
もっと前から、そしてこれからもずっと長く生きるんだろうなぁ…とも。
とにもかくにも、初日の一番最初っから、なんて濃厚なひととき。
こんなに石川杜氏がお付き合いしてくれるとも予想だにしていなくて、
気付けば5時間も、あっという間に経っちゃったのでした。
こんな身近でじっくりじっくりお話できて、しやわせだ~。
RCCラジオ 道盛浩 バリシャキNOW の
間違いだらけの酒常識 石川杜氏談 もPodcast入れなきゃ♪
【旅の日記】
その1・竹鶴酒造 @ 竹原
その2・藤井酒造 @ 竹原
社長が案内をしていただきました。
今思うと恐れ多い!!!
専務は誰かさんのブログによると
マレーシアにいるみたい。
エロス論最高です(ちょっと順番が変?笑)
遊山さんとほり川さんは、昨年末にお邪魔しました。
もちろん両店とも酒は『竹鶴』で。
『龍勢(宝寿)』も『幻(誠鏡)』も美味しいですけどね。
そん時は駅の近くに在る日本酒の聖地:小料理屋『伏見』さんにも久々に行く事が出来て、本当に幸せでした。
ところで、竹原を舞台にした『たまゆら』というアニメが在るのをご存じですか?
高校生が主人公だからお酒は出てこないけど、美しい風景と優しい人達の姿に心が癒されます。
これを観たら、もう一回竹原に行きたくなりますよ。
(というか身長相応?!)
身長を聞いてみたところ、相方と同じくらいでしたが、
やっぱ肩幅と腕が、すんごい長い!!!ですもん~~。
着ている制服も、肩幅と袖丈に合わせていたら
通常のサイズの一回り上じゃなきゃ着れないんだろうな~~と。
おっと…ついつい職業病が出てしまいました(汗)。
嬉しいですね~!!
我々も、最後に社長さんとご挨拶ができましたが、
相変わらずお元気でした♪
そうそう、専務はマレーシア出張だそうですネ。
私もお酒の話は別として、
マレーシアには一目置いています…。
私も「新幹線で通っただけ」とかだったら、
全国は行ってると思うのですが・・・(汗)。
日本も小さいとはいえ、
行きたいところがいっぱいです!
エロス論最高!!
それもまた別の記事にでもしようかな~と。
お好み焼き屋さんにもサイン入りポスターが
飾ってありました。
竹原には日本全国から集めた日本酒が飲めるお店があるんですね!
伏見、知らなかったです~~。
ここに行くには竹原泊、ですかね・・・。