梅さんのかわら版.umelog

我が家の琉球朝顔~オーシャンブルー

"連歌3回目~前書き"

2014-07-12 23:49:29 | 俳句&短歌

7_12_2 俳句の勉強会に行くと必ず「切れ」がでてきます。切れとは「○○や」「○○かな」「××けり」で、「古池かわず飛び込む水の音」という使いかたをします。

 今日は、その切れではなく前から関心のあった「前書き」というのを取り上げてみたいと思います。
俳人が出す句集等を見ていますと句の前にその句の説明が載っている場合があります。それを前書きと言います。

「俳句」6月号に井上康明氏のこんな句が載っていました。

 四月二十五日は福田甲子男忌
  「 破顔一笑花桃の風の中 」     井上康明
これはこの句の補足ですね。大先輩にあたる福田氏の命日にあたりこの句を作りましたという説明です。
このように、使うわけですが、俳句ばかりでなく短歌にもこれがあります。

 63()東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約一千億円が被災地以外で使われていることがわかった。
  「 四階までのぼる息子が少しづつ階段を濡らしのぼりゆきたり 」    大口玲子

の説明によりこの歌が俄然意味を帯びてきます。大震災により息子さんは職を失ったのでしょうね。毎日ハローワークに通う日々。いまだ職はみつからない。なんてこった、雇用対策の復興予算はどこへ消えたのか…何ともやり切れない怒りが湧いてくる。

 このように、前書きというのはその作品に有効的に働きます。
しかし、17文字とか31文字とかの短詩形の文芸と言っておきながら、説明を加えるのはずるいではないかとおもいますよね。
では、いつどういう場面で使うのか…このことを知りたかったのですが、井上氏の講演ではこの部分の説明はありませんでした。使用例ですね。 

 俳句の大会には絶対前書きはありえないことで、句集などの個人的な作品に限って使うのかなぁ…もうちょっと勉強したいと思います。