流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

愛犬の具合が悪いみたい。2

2007-07-20 | まいと家族
獣医が処置室に戻ってきた。
一枚の紙を持っている。これは血液検査の結果だった。
血糖値は500を上回っている。
肝臓の値は正常値は70が上限なのに対し、うちの犬は3,000。
70に対して3,000。
どんだけありえない数値。
糖尿病の犬はこうなるらしい。
いつからこの具合になったか聞かれたので、今朝からと答える。
便も聞かれた。餌を変えてからずっと下痢だった。
前に診察してもらった時は、安い餌だと栄養分も少ないので、いい便がでないと言われた。
確かに安い餌を与えていた。
だからアタシは3キロ800円の餌から、1キロ1,700円の餌に変えた。
犬が元気になるならいくらでも金をかけてやるつもりだった。
元気になるなら金なんて惜しくない。アタシは親と違うから。
だが高価なわりにあまり美味しくないのか、食いつきがイマイチだったから、さらに缶詰も加えてやった。途端に食欲が戻ったみたいで安心した。
でも下痢。
そして昨日の夜分かったことだが、母がまた性懲りもなく人間の残飯を犬に与えていたらしい。
そのせいで糖尿病になったのに、まただ。
どうしてうちの両親はジャマばかりする。
栄養価のよい餌を与えれば母が横から残飯を。
犬を落ち着かせてやろうとすれば父が横から暴力を。
一体うちの両親はなんなのか。
その夜の帰り、母はアタシにこう言ったんだ。
『おい、まい。あのバカ犬にそこのピザやってこ!』
やってこ、とは「やってこい」という命令形。
そこには、ラップに包まれた二切れのピザ。
確かその前の日に母が食べたものの残りだ。
コイツは本当に何も分かってない。
犬にネギを与えてはいけないというのも知らないブタだ。
だからアタシはピザを取り「犬にやるくらいならアタシが食べる!」と言って母を睨んだ。
この言葉の意味を勘違いした頭の悪いブタは「夕飯食べたくせに卑しいヤツ」と言った。
殺してやりたい。
犬には卵かけご飯を与えればいいと言うような母だった。
散歩をしている時に、道端の物を食べてる卑しい犬、という母だった。
その道端の物や、残飯のせいで具合が悪いのかもしれないな、と獣医は言った。
アタシもそうだと思った。

とりあえず薬をもらい、明日から飲ませるように言われた。
ダメだ、もう書けない。
でも書く。

診察料は、さっきの診察と、薬、ポンプ(注射器)、新しいインシュリンあわせて18,000円だった。
初心の8万の次に高額だった。
アタシは手持ちが15,000円しかなかった。情けない。
初めての患者ではないので、内金でいいといわれたが、幸いカードが使えたので払った。
犬を連れて実家に帰った。時間は10時を過ぎていた。
母はまだ寝ていた。

母は日中、家にいるくせに何かと理由をつけて犬の散歩をしないため、犬が動ける範囲は糞尿であふれかえり、土は液状化しカビが生え、蝿がたかっていた。
アタシは何とかしようと、残りの時間に祖母を連れてホームセンターに行き、祖母に選んでもらって土と砂利を買った。
外は雨が降りそうでふらなそうな微妙な天気。湿度が高く、蒸し暑い。
「うちの父親って、どうして暴力ふるうんだろう。最低」
家に帰る途中、アタシは祖母に言った。
父親はこの祖母の実の息子だったが、あえて言った。
アンタの息子は弱い動物に暴力をふるう最低な男だよ、と。
「考えてみてよ、うちの犬は人間で言えば、ばーちゃんと同じくらい(80歳)だよ。そんな年寄りに暴力をふるうなんて。ばーちゃん、自分があのくらいの男に暴力をふるわれてるとしたらどう思う?」
『んだねー、そう思えばダメだわ』祖母も認めた。
「アイツは一体、誰に似てあんなんなんだろうね。じーちゃんもあんなんだったの?」
あまり聞いてはいけないような気もしたが、聞いてみた。
『とーちゃんは、暴力なんてもんじゃねーよ。ばーちゃん、何度殴られたことか』
やっぱり、遺伝だったか。
さらに祖母は続けた。
『ばーちゃん・・・一体何を投げられてかは忘れたけど、頭を2回縫ってる』
・・・・・・・・・
遺影でしか見たことのない祖父は、DV野郎だった。
働いた金を家に入れもせず、妻に暴力をふるった男。
さらには女を作り家を出て行く始末。
妻と小さな子供達5人を置いて。
「最低。ばーちゃんん、別れればよかったのに!」アタシは憤慨した。
『別れたくても、別れられっこあんめ。子供達いんのに』
やっぱりそうか。子供のためか。
『あんなヤツ、本当だったら殺してやりたいくらいだったわ!殺しても足りねーくらいだ!』
初めて聞いた祖母の祖父への明確な殺意。
いつも『じーちゃん、じーちゃん』と言って仏壇に花を手向けてるから、なんだかんだ言って本当は、祖父のことを好きなのかと思っていたのに。
アレなのだろうか。
やっぱり片親で、父親の愛情を注がれず苦労ばかりしてきたうちの父は、動物に愛情を注ぐことができない病んだ人なのだろうか。
アタシのことを溺愛した反面、動物を殴る蹴るしてた背景は、そこにあったのではないだろうか。
アタシは悲しくなった。
暴力的な祖父に。それにそっくりな父に。そしてその性質をしっかりと受け継いでいる自分自身に。







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