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音曲日誌「一日一曲」#251 ベン・E・キング「Young Boy Blues」(The Ultimate Collection Ben E. King Stand By Me/Atlantic)

2023-12-08 05:00:00 | Weblog
2013年1月20日(日)

#251 ベン・E・キング「Young Boy Blues」(The Ultimate Collection Ben E. King Stand By Me/Atlantic)





ベン・E・キング、64年のヒット・ナンバー。フィル・スペクター、ドク・ポーマスの共作。

ベン・E・キングといえば昨年も来日し、その健在ぶりを示したように、74歳になった現在も現役バリバリで活躍している人気シンガーだ。

38年ノースキャロライナ州ヘンダースンの生まれ。ニューヨークに移住し、58年に人気コーラスグループ、ドリフターズにクライド・マクファターの後釜として参加、60年までリードシンガーをつとめた。

ソロシンガーとして独立後も「Stand By Me」「Spanish Harlem」をはじめとするヒットを多数もち、ブームが去った後もリバイバルヒットを出すなど、根強い人気を誇っている。サム・クック、オーティス・レディングのような夭折のシンガーたちとは対照的に、実に息が長いのである。

そんなキングの、きょうの一曲は、筆者的に一番好きなナンバーを選んでみた。

独立して大ヒットを出し、ノリにのっている時期の作品。しかも作者は名プロデューサーのスペクターと、名ソングライターのポーマス。これ以上ない黄金のチームによって生み出された。

「Young Boy Blues」といえば、ザ・フーにも同題の曲があるが、もちろんふたつはまったくの別曲。

ザ・フーのほうはどちらかといえばいわゆる「怒れる若者たち」の心情を歌ったものだが、キングのほうはいかにもいかにもの、甘酸っぱい恋の歌である。ゆったりしたテンポのバラードだしね。

キングはこのスペクターの美しいメロディ、ポーマスの胸キュンな詩を、パワフルで艶のある声で高らかにうたいあげる。もうヒットしないわけがないね。

筆者が思うに、キングの声は、男っぽいプレスリーあたりとはちょっと違ってて、少し高めで少年っぽいというか、永遠のティーンエージャーみたいな印象があって、誰の耳にもすんなり入っていくと思う。「Stand By Me」が全米4位と、ウケにウケたのも、そういった理由があるんじゃないかな。

プレスリーなどと違い、キング自身はセックスシンボルとかそういう要素はほとんどないのだが、声はまさに神の領域にあった。

その天性のリズム感は、この一曲だけでも十分わかると思う。青春の輝き、そう、ベン・E・キングの歌ほど、その形容にふさわしい音楽はないと思う。

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