昨日、3編成が残存する千代田線の6000系の内6122Fが綾瀬検車区から新木場CRまで廃車の為回送されました。何度も次の廃車予定の編成として、その動向が注目されて来た同編成ですが、遂に引退となってしまいました・・・。
6122Fは4次車で、当時千代田線の本線で運用されていた5000系10両編成5本を東西線へ転出させる為と、輸送力増強を目的に1981年から6編成が導入されました。半蔵門線の8000系の設計思想を盛り込み、側窓を幅の狭い二段窓から下降式の1枚窓に改め天井は冷房準備車として、集中式冷房装置の設置を考慮した構造で従来の1・2次車とは大幅に印象の異なるスタイルになっています。2007年度に大規模修繕と共に、制御装置のVVVFインバーター制御化改造を施行し、登場時からは大きく変貌を遂げました。
小田急線への直通も終了した後、遅延のため偶々実現した2編成並び。奥の5次車である6130Fと比較すると、屋根のカーブが異なっている様子が分かります。ほんの少し前まで当然のように展開された光景ですが、6000系同士の並びを捉えることは不可能になってしまいました。
車内設備は2007年度の更新改造で化粧板・床材・側扉を全て新品に交換し、イメージを一新しています。以前記事にした6102Fと比較すると、座席の袖仕切りが床に接しないタイプになり、扇風機が廃止され変わりにラインデリアが設置しました。
更新時に設置されたLEDの車内案内表示器。ドアチャイムも併設されており、表示内容はJR常磐緩行線・小田急線共に対応しており運用範囲の全区間で稼動していました。
今回引退した6122Fは1981年の導入で、1988年に冷房化改造、2007年に先述の大規模修繕・VVVF化改造と2度に渡る大工事を施工され、36年余りの活躍でした。4・5次車を対象にした大規模修繕は2004年から開始しており、制御装置は当時最新形式だった05系13次車同様のIGBT素子を用いた方式で、電動車と付随車の比率を1:1(6M4T→5M5Tへ)にする大幅な変更を伴うものでした。当初この改造を受けた編成は2020年代まで運用する予定でしたが、後継車の16000系導入が決定し工事自体も6122Fを最後に終了。更に東京オリンピックの開催を控え、千代田線の全編成を16000系で統一する方針に転換した事から、2015年には初めてこのタイプに廃車が発生しています。改造を施行した4・5次車は引退後全てインドネシアへ売却されていますが、この編成の処遇はどうなるのか、非常に気になるところです。