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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「レジナルド氏の憂鬱月」 20

2014-02-20 21:32:24 | 「レジナルド氏の憂鬱月」 2014バレンタイン
ども、お今晩は~。

いや~、オリンピックはあるわ、大雪はあるわ、都知事選はあるわ、で
なかなかワヤクチャな月でしたね。

2月も下旬に入りました、というか、来週で終わりですよ。

皆さまにとってこの2月はどんな時間でしたか?

魔法に溢れた、幸せな月であったことを願っています。

そうでなかった人も、
魔法の呪文があるじゃないですか、ほら、

 「ぜんぶ雪のせいだ」 by JR

そして、当お茶菓子が2月中に終わらなかったら、
それもええ、雪のせいです。

2月中に終わるでしょうかね?

乞うご期待。


2014年2月1日~ブログ直接投稿 「レジナルド氏の憂鬱月」その20

  まずは この小さき者であろう
  慈愛の神は 弓を肩にかけかがみこみ
  地面のネズミを 手にふわりとすくいあげた
  もちろんさ! 性愛の神は元気よく言った
  この子も 僕らが愛する世界なんだから

<つづき>

性愛の神は 手にもつ金の矢で
雪に混じったネズミの血をすくい取った
矢じりの紅い石が きらきらと光った
地面に残った血は 全て消え
性愛の神は 矢についた血を口にふくんだ

この者に 愛に弾む身体と踊る心を
性愛の神は ネズミの口から血を流し入れた
ネズミの身体は たちまち元の姿に戻った
この者に 愛を知る心と分け合う身体を
慈愛の神は ネズミの鼻に息を吹き込んだ

・・・何も起こらなかった
しかし 双神が見守っていると
しばらくして ネズミの身体から
とくとくという 音がし始めた
双神は目を見かわし 微笑んだ

良かった まだ本調子じゃないかと思った
慈愛の神は そう言う片割れにけげんな顔をした
ほらお前の矢・・・ 性愛の神は小声で言った
石の色が変わっているな と慈愛の神は応じた
少し赤みが入っている お前の色だ

できるだけ 僕の力から離してたんだけど
性愛の神は 首をすくめて言った
お前が持っていれば すぐ元の色に戻るよ
そうだな と慈愛の神は言った
だが この色でも良いのかもしれぬ

そうかい? と性愛の神は少し驚いて言った
ああ と慈愛の神はうなずいた
今までの私なら 嫌悪しただろう
だが今は と慈愛の神は矢じりの石に口づけた
とても 良い色に思える

性愛の神の光は 明るくまたたいた
全ては天の思し召しだ と慈愛の神は言った
天地が元の方を望めば そうなるだろう
そうだね と性愛の神はまだ嬉しげに答えた
慈愛の神の手の上で ネズミがぴくっと動き始めた

<つづく>

人気ブログランキング ← この時期、無性にチョコを食べたくなるのも、もちろん、雪のせいです・・・?
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新作 ~ 「レジナルド氏の憂鬱月」 19

2014-02-19 21:33:00 | 「レジナルド氏の憂鬱月」 2014バレンタイン
ども、お今晩は~👋

皆さま、最近はいかがお過ごしですか。

世の中はオリンピック🏃とか大雪❄️とか、それとか決算報告の時期とか、
いろいろあるかと思いますが、
時々は、「本当の自分」を振り返ってあげてくださいね。

外の騒ぎと関係ないところの「自分」。
自分であるという軸。
外の騒ぎに対応するための自分をはがした先の自分。


きっとそれはあなたに大きなものをもたらすと思います。

あなたがあなたを愛する理由を、取り戻せますように😊



2014年2月1日~ブログ直接投稿 「レジナルド氏の憂鬱月」その19

  ハトの上に 有翼の光る人影が現れた
  膝を抱えて丸まる身 輝く翼がその身を包む
  天使像と同じその顔は 金の弓矢を持つ手と
  翼の中で 目を閉じ安らいでいた
  人影はすぅっと ハトをのみこんだ


<つづき>

天使は目を向け ハトだった有翼の神を視た
有翼の神は目を開け 自分を見つめる兄弟神を視た
刻は至った 双神は言った
慈愛の神は 空っぽの手を有翼の神に伸ばした
性愛の神は 腕と翼を広げて片割れを迎えた

慈愛の神は 性愛の神の胸から
黒ずんだ金属の矢を 取り出した
矢の黒ずみは見る間に消えて 銀色に光り
矢じりにある深い青色の石を 輝かせた
その青色は やや紫がかって柔らかく見えた

慈愛の神は 矢をにぎりしめた
もう片方の手に 銀色の弓が現れた
ああやっと・・・ と慈愛の神は言った
ああやっと と性愛の神は言った
本当のお前に逢える 永かったな兄弟

待たせてすまない と慈愛の神は言った
謝ることはないさ と性愛の神は応えた
僕はずっと お前と共にいたのだからね
だが 世界は僕らの愛に飢えている
忙しくなるぞ と性愛の神はにやっと笑った

まずは この小さき者であろう
慈愛の神は 弓を肩にかけかがみこみ
地面のネズミを 手にふわりとすくいあげた
もちろんさ! 性愛の神は元気よく言った
この子も 僕らが愛する世界なんだから


<つづく>

人気ブログランキング ← いえーい。やっとここまで来ました~。


※変更:2016年1月9日
慈愛の神が 弓を肩にかけ → 慈愛の神は 弓を肩にかけかがみこみ
地面からネズミをすくいあげた → 地面のネズミを 手にふわりとすくいあげた  

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新作 ~ 「レジナルド氏の憂鬱月」 18

2014-02-18 22:27:23 | 「レジナルド氏の憂鬱月」 2014バレンタイン
ども、お今晩は~👋

皆さま、今日も寒かった🥶ですが、いかがお過ごしですか。

生きるって何でしょうね。
今日、思うような一日を過ごされた方も、残念ながらそうでない方も。

常に変わらぬ平穏が、貴方の裡を占めますように🙏



2014年2月1日~ブログ直接投稿 「レジナルド氏の憂鬱月」その18

  馬鹿なことを・・・と天使は言った
  お前がいなくなれば世界は・・・
  馬鹿じゃない とハトは言った
  僕は 世界とお前の力を信じてた
  いつかこんな日が来ると さあ見ろ


<つづき>

天使は 戸惑ってハトを見返した
お前は忘れている とハトは言った
眼を見開いて この世界を視ることを
お前は矢を奪われた時 眼を閉じて
それを忘れてしまったのだ さあ視ろ

天使は ハトをまじまじと見た
そして ふとハトから目を街へと向けた
じっと佇む天使の目は 次第に見開かれ
天使の光は白く輝き 羽は大きくはためいた
雪はあおられ 光る粉のように舞い上がった

ああ視える と天使は輝く粒子の中でささやいた
視える 数多の生きる者の差し出す手が
ためらいなく恐れなく 心赴くままに
世界と隣人に 差し出したいと望む心が
光が喜びが温かさが 視える

天使の光はわななき 響く声はかすれた
天の慈愛が芽吹いている この地上で
あれほど厚く覆っていた茨が 減っている
天使は両の腕と羽を大きく 街へと差し伸べた
私の世界・・・私の世界!!

そのとき ハトは翼を広げた 

ハトの上に 有翼の光る人影が現れた
膝を抱えて丸まる身 輝く翼がその身を包む
天使像と同じその顔は 金の弓矢を持つ手と
翼の中で 目を閉じ安らいでいた
人影はすぅっと ハトをのみこんだ


<つづく>

人気ブログランキング ← 世界が喜びに満ちますように。


※変更:2016年1月9日
輝く翼が うずくまるその身を包みこみ →輝く翼が うずくまるその身を包みこむ

※変更:2017年5月7日
~うずくまるその身を包みこむ → 膝を抱えて丸まるその身を包みこむ 

※変更:2024年2月18日
輝く翼が 膝を抱えて丸まるその身を包みこむ → 膝を抱えて丸まる身 輝く翼がその身を包む
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新作 ~ 「レジナルド氏の憂鬱月」 17

2014-02-17 21:17:32 | 「レジナルド氏の憂鬱月」 2014バレンタイン
ども、お今晩は~。

今日は良い天気でしたね。

いまだ雪で大変な思いをされている方もいらっしゃると聞きますが、
皆さまは元気にされていますか。

水曜も雪予報でしたが、今見ると曇りに変わっています。

でも、とにかく寒いようです。

どうぞ、当お茶会で少し温まっていって下さいね。


2014年2月1日~ブログ直接投稿 「レジナルド氏の憂鬱月」その17

  それが分かり始めたのは
  と ハトはややあって続けた
  天使はまた黙って 地面を見つめていた
  世界が加速度的に 友愛を投げ捨て始めた
  先の大戦のころだった

<つづき>

世界は ゆとりと笑いも投げ捨ててた
規律と規範が 人殺しと結びついて
ハトは 蒼ざめて身震いをした
愛の入る余地など ほとんどなかった
ただ性愛だけが わずかに残って

そのときやっと・・・分かったんだ
ハトはすがるように 天使を見た
僕が本当は 何を成そうとしてたのか
そしてそこに お前がどう関わって
世界と僕に 何をしてくれてたのか

だけど遅かった とハトはぽたり
いま殺されたような顔で言った
世界は転がるように 愛がない方向へ
なだれ込んでて 僕は世界とお前が
枯れていくのを 止めることができなかった

どんなに 僕が愛の矢を放っても
世界はそれを 歪めて呑みこんでいく
正してくれるお前は 傷つき薄れかけてて
そしてとうとう お前の矢が・・・
ハトは 言葉を詰まらせた

お前が完全に 消えてしまう
狂った世界と僕とを おいて
それだけは絶対に ゆるせなかった
ハトは 燃え上がるような目で言った
だから僕は お前の矢を呑みこんだ

天使ははっとしたように ハトを見た
何十年何百年 我が身を封じようと・・・
ハトは 黄金に燃える目で天使の目を射た
お前を 完全に喪うより良い
今度こそ お前を見殺しにしない

馬鹿なことを・・・と天使は言った
お前がいなくなれば世界は・・・
馬鹿じゃない とハトは言った
僕は 世界とお前の力を信じてた
いつかこんな日が来ると さあ見ろ

<つづく>


人気ブログランキング ← チョコが融けるほど暑い季節が恋しいけど、暑さで融けたチョコは始末に負えない。

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新作 ~ 「レジナルド氏の憂鬱月」 16

2014-02-16 20:48:43 | 「レジナルド氏の憂鬱月」 2014バレンタイン
ども、お今晩は~。

今日は晴れて月が綺麗ですね。
14日のバレンタインデーは、満月だったそうです。
なので、今日は満月からちょっと欠けた月なのですが。

バターのように黄色くて陽気な感じの月です。

明日からまた1週間、頑張って下さいね。


2014年2月1日~ブログ直接投稿 「レジナルド氏の憂鬱月」その16

  僕が騙した あの白いカラスも
  僕のせいで苦しんだ 愛しいあの娘も
  ハトは耐えかねる様子で うつむいた
  みな最後には 僕を赦してくれた
  お前の慈愛の力が 助けてくれたんだ

<つづき>

なのにお前が世界に 絶望し始めてたとき
ハトは目をつむり 細く息を吐いた
僕は 自分の遊びに夢中で
ほとんど 気に留めていなかった
見殺しにしたんだ お前を

いや私は と言いかける天使を制し
ハトは 絞り出すように叫んだ
お前が自分の存在を 見失いかけてたとき
僕はお前を助けるどころか お前を無視して
ますます お前のいのちを細らせた

天地の間でたった一人 僕だけは
お前の神髄の 本当の意味を
分かってなきゃいけなかったのに
同じ愛の神として お前が僕を
分かっててくれたように とハトはうめいた

その痛みの声は 天使の裡の闇を貫いた
天使は思わず ハトを見つめた
その眼は 懸念と慈愛にあふれ
手は 何かを求めて宙を泳いだ
光が一瞬輝いて けど手はぱたりと下ろされた

それが分かり始めたのは
と ハトはややあって続けた
天使はまた黙って 地面を見つめていた
世界が加速度的に 友愛を投げ捨て始めた
先の大戦のころだった

<つづく>


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