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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

「冬の紅い実」 (# 101)

2011-12-28 20:43:52 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~👋

年末の慌ただしさの中ですが、
本日は、あまり年末と関係なく、冬❄️の風景から。


年開けるとお正月だし、バレンタインだし、おひなさま・・・と来るともう、
何だか春の気分🌸がしてくるし。

実は大晦日を待つこの時期が、
一番何だか日本の冬っぽい気がするのですが、
皆さまはどうお感じですか。


普段は洋服着て、それなりに西洋のお祭りなんか取り入れて、
食べる物もハンバーグ🍽だったり、洋楽🕺聴いて、
わやわやと仕事にただ合わせる生活をして。

でも、日本を感じるこんな時期は、ふっと日本の冬の枯れた空気🍃に、
カレンダーと関係ない、
古なじみの「自分」と出逢ってみるのもいいかもしれないですね。


今日は、そんな日本の冬の中にいる貴方に、お届けします。



2010年12月27日ついったー投稿  <加筆・変更> 「冬の紅い実」

昔馴染みの樹に逢った 
しばらくぶりに通る道
そいつは冬の日差しの中に
葉を落とした枝伸ばし すっくと
いつもどおりに 立っていた

よお と私は言った 
久しぶりだな 元気にしてたかい 
近寄った私の目に飛び込んだ紅い色

見ればそいつの足元に 
私の知らぬ草が生え 
紅い小さな光る実を 
冬の光に 艶めかせていた
昔しょっちゅう通ってた道の
見たことのない光景に驚きながら 
私はそいつに挨拶しようと
昔のように そいつの幹に手を置いた

掌に当る木肌 
冬の冷たい空気の中でもほの温かく 
けど 
どんな感情も生命の流れも 
その下に感じることはできなかった 
昔のように

春は花と新緑 
夏は涼しい木陰 
秋は燃え盛る紅葉 
冬は切り裂く裸枝 
朝な夕なに 移り行く季節を
見せるそいつを横目で眺め 
そして時は流れていった

久しぶりに通った道 
ごつごつとした木肌は掌に痛く 
けど 
こんなときでも私の心は 
私という小さな殻に閉じ込められ 
感じ取れるのはそれだけだった

無骨な裸木と並んで
同じ冬の日差しの中で輝く 
小さな紅い実 
私は黙って手を離した 
そして彼らに背を向けて 
行くべき道をゆっくりと 
冬の日差しの中
独りで 歩いていった



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6 コメント

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また! ()
2011-12-29 23:22:09
本日で年内の仕事は終わりです。

では、また来年~♪

良い御年を!

⌒゜(*^o^)ノ
返信する
また! (まかろん)
2011-12-30 20:23:56
営さんも、素敵な一年をお迎え下さいね!
返信する
Unknown (なおとも)
2023-10-23 15:56:34
まかろんさん  こんにちは!

この詩の赤い実を付ける樹は何の樹かしらと、想像しながら読みました。久しぶりの街を訪れた彼は、どんな思い出がこの街に有るのかしらと、思いを馳せます。再読して、また拙い私の想像を書かせて頂きます。なおとも
返信する
なおともさん🙏✨ (まかろん)
2023-10-23 19:33:32
@naotomo3451 さん、
この詩にお目を留められましたか〜。
ありがとうございます🙏
懐かしい〜〜😆

余計なことは今は言わないでおきますが、
なおともさんがお目に留めた、ということで、
先日ご紹介されていた、

>「淋しさをなおも紫苑ののびるなり」(正岡子規)

を思い出しました。

私が暴発してしまって、この句の感想を
描き損ねてしまったのですが、
・・しみじみ、良い句ですね。

明日も良い日をお過ごしください😊
返信する
Unknown (なおとも)
2023-10-24 17:43:29
まかろんさん こんばんは!

この詩に恋愛の思い出などのかけらを感じることも出来ますが、やはり一人の青年が昔の懐かしい地を訪れ、時の流れに感無量になっているのかとも思います。人物の具体的描写が無いので、読み手によって、想像して良い詩かなと思います。
島崎藤村の「からまつ」と同じくらい好きですよ。なおとも
返信する
なおともさん😊 (まかろん)
2023-10-24 19:38:08
@naotomo3451 さん、
感想をありがとうございます!

はい、そうですね。
どう読んでくれても良いかと思います。

一応、作者から申しますと、
この詩は、
「知覚が自分という殻を越えられない寂しさ」
を伝えています。

ただ、それを伝えたからといって、
こうしろ、あーしろという主張はないです。

そこが詩なのですね😊

寂しさとか悲しさとか
人間の愚かさ間違いとかを出して、
あとは読む人にお任せ。

それは丈の短い詩ならではの姿だと思います。
それに、たぶん書いた本人も
主張したいことはなかったのだと思います。

ただただ、寂しく、うっすらと哀しかった。
世界に、置いてけぼりにされた自分が。


どう読んでくれても良いのですけど、
参考になれば幸いです🙏

今日はネットが障害で1日つながりませんでした。
なんとか復旧して、なおともさんのコメントを
いただけて、良かったです🙏😭
ありがとうございました🙏🙏
返信する

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