#魔法の詩 お題「幻」 その１ （#254）

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#魔法の詩　お題「幻」　その１

「幻」

結局は　ただの幻だ・・・
乾いた土くれを抱いて　人は言う
食えない物など何になる
だから笛吹き男は　子供を誘う
そうして　子供らは行っちまった
後に残るは　ひゅるりりら
昨日と明日のパンを奪い合い
今日の子供らを忘れた　大人たちの
どこにも行けない街と　土ぼこり




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#魔法の詩 お題「夜」 その３ （#253）

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#魔法の詩　お題「夜」　その３

「夜」

夜に向かって　窓を開ける
軽やかになった　夜風が揺れる
もうじき　桜が咲くだろう
まだひいやりする風に　春を想う
家々包む宵闇の　灯りの向こう
遠くの桜　ひらり　心に花びら吹きこむ
夜風が届ける　春の約束

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#魔法の詩 お題「夜」 その２ （#252）

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#魔法の詩　お題「夜」　その２

「夜」

ゆっくりとつく息　夜の息吹
静寂の闇に　涙こぼれる
昼の光に　押しやらされた
痛みと苦しみが　流れ出す
床についた手　散る涙
その温かさと　この闇だけが
わたしの痛みに　寄り添うから
震えるのどで　夜気を吸い
凍える指で　濡れる頬ぬぐう




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#魔法の詩 お題「夜」 その１ （#251）

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#魔法の詩　お題「夜」　その１

「夜」

薄い光が　窓から射して
また朝が来たと　鈍く思う
何者でもない僕を　嗤う昼
だけど夜は　何者かの僕が這い出して
昼が嗤う僕を　責め立てる
僕が死ぬ昼に　怯えつづける夜
薄闇の中　昼も夜もない世界を想う




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#魔法の詩 お題「死」 その２ （#250）

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#魔法の詩　お題「死」　その２

「死」

ありがとうと　言わないで
言葉が　わたしに突き刺さる
ごめんねとも　言わないで
それは　わたしが言う言葉
だけど　どちらも言われてしまって
生者のわたしは　黙りこみ
死にゆくあなたの　手をただ握る

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