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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 31

2013-11-02 21:11:07 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、11月最初の週末です、皆さまいかがお過ごしですか。

お店はさっそくXmas気分の所が多いですね。
もっと11月を愛そうよ、と思わなくもないけど、
ワクワクキラキラが広がるのは良いことですね。

でも!

まだ、11月ですからね。

今日、10月にカボチャパイを買いまくったパン屋に寄りましたら。
形を変えてまた売ってました~。

ありがとう!


・・・うん、今ハロウィン気分と11月気分とXmas気分で
頭がごちゃごちゃです。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その31

  まだ続きはあるんだよ 可愛い子
  おじいさんは 心でそっとつぶやいた
  お前は何も 覚えてないんだね
  おじいさんは 窓から差し込む光に
  そのときのことを 思い出してた

<つづき>

気がつくと タビィは浮いていた
穏やかな光が 満ちあふれる中
数しれない光の泡が どこからともなく
次から次へと 湧きあがり
軽やかに タビィを舞い上げていた

光の泡は 笑っていた
虹のように光りながら 笑っていた
小さい泡 大きい泡
楽しげに 淡い七色に光りながら
タビィの周りを弾み 飛び回っていた

タビィは 泡たちにもみくちゃにされた
泡の渦は タビィを巻き込み
抱きしめ転がし くすぐった
光る泡たちは きらきらと笑った
さあ行こう と泡たちは言った

光る泡の渦は タビィを抱き込んだまま
宙へ宙へと 伸びていった
後から後から 泡は増えていった
楽しいね と泡たちは言った
嬉しいね と満ちる光が応えた

天高くに 世界が見えた
緑生い茂る地上 波寄せる大海
人間たちが住む 村や街の建物
タビィたちに向かって さかさまに 
天蓋のように 広がっていた

生きる者たちの姿が 見えた
彼らはみな 笑っていた
人間も動物も植物たちも 
土や水や風 人が作った物さえも
いのちに輝き 笑ってた

<つづく>


人気ブログランキング ← ワタシも笑ってます、とランタンは言っています

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 30

2013-11-01 21:56:19 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ハロウィン、終わりましたねぇ。
皆さま、11月最初の日をいかがお過ごしですか。

ハロウィンが終わったので、パン屋やお菓子屋から
カボチャ関係のものが一斉に姿を消しました。

カボチャは結構お腹にたまるので、確かにそうカボチャ攻めでは
お腹が苦しかったのですが。

無くなると、寂しいです。

やっぱり食べたい、
カボチャパイ、カボチャパン、カボチャマフィン、カボチャクッキー、カボチャムース、カボチャスコーン、カボチャアイス、カボチャチョコバー、カボチャ・・・

とあるゲームにウサギ男のキャラがおりまして、
彼は頭にウサギの耳を生やして、
ニンジン料理とニンジン菓子ばかり食べてるのに、
「俺はウサギじゃねぇっ!!」と主張しているキャラなんですが、
彼の気持ちがほんのり分かった気がする、
11月の秋の日です。


さて、お待たせしました、
今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その30

  タビィは 静かに堕ちていった
  柔らかな何かに 沈んでいった
  闇も光も音も 何もない
  ただ包み込む 温かな何かに 
  静かにゆるやかに 堕ちていった

<つづき>

おじいさんは ここで話をやめた
女の子は 目をぱしぱし
タビィは 死んでしまったの?
でも うちのタビィの話よね?
タビィは どうしてしまったの?

おじいさんは にっこり笑って
女の子の頭を 黙ってなでた
なーんだ 嘘の話だったのね
女の子は 口をとがらせ膝から降りた
タビィを 探しに行ってくる!

女の子は足音立てて 部屋から 
ばたばた 駆け出していった
おじいさんは ゆりいす揺らし
まだ微笑みながら 女の子が
出て行った 戸口を見つめてた

まだ続きはあるんだよ 可愛い子
おじいさんは 心でそっとつぶやいた
お前は何も 覚えてないんだね
おじいさんは 窓から差し込む光に
そのときのことを 思い出してた

<つづく>


人気ブログランキング ← この辺りから睡眠時間削って書いてたので、「タビィは疲れてた」と書いた時、リアルに疲れてたのは内緒です

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 29

2013-10-31 21:18:08 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
皆さま、ハロウィンナイト、楽しんでいますか。
今年のハロウィンは平日なので、そうそう今日で盛り上がるのは
難しいかとは思いますが・・・


さあタビィの物語は、いよいよ最大の山場です。
お楽しみ下さい。

とは言え明日からもまだまだ紆余曲折で続きますので、
明日からの展開も、お楽しみに!

ハッピー・ハロウィン!


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その29

  ただ 影をなめてるようだったけど
  タビィは 光に浮かぶ泣き顔を
  何度も何度も なめ回した
  泣かないで と意識で言った
  あのときの笑顔を どうか見せて

<つづき>

ふいにざらっと 柔らかな肉の感触
子供の顔が タビィを見ていた
ありがとう と細い声
蒼白い光は 暖かな色に
そのまま ぱあっと広がって消えた

タビィは 次の光に飛びついた
どうしてと怒る 女の顔
どうしてと慄く 老人の顔
みんな タビィを見てくれなかったけど
何度も何度も タビィはなめた

蒼白い光の球は 一つ一つ消えていった
宙に吹き上がる大渦の中では
あまりにも わずかな量だった
だけど タビィはやめなかった
ありがとうと笑う 皆の笑顔が嬉しかったから

やがて なめる光の顔は
知らない顔が 多くなった
けど最後には どの顔も
ほっとした顔で 笑うから
タビィは 夢中になってなめ続けた

意識の舌が 痛み始めた
闇が離れたときの衝撃も
ずきずき 意識に響いてた
次の光に 移ろうとして
タビィは もう飛び移れなかった

タビィの意識は 堕ちていった
闇の柱が 雄叫びを上げた
これで死ぬんだと 思ったけれど
タビィはとても・・・ 疲れてた
もうどうでもいいや とタビィは思った

タビィは 静かに堕ちていった
柔らかな何かに 沈んでいった
闇も光も音も 何もない
ただ包み込む 温かな何かに 
静かにゆるやかに 堕ちていった

<つづく>


人気ブログランキング ← タビィたちはお祭りどころじゃないみたいですけど、応援は大歓迎です♪

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 28

2013-10-30 21:40:26 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
いよいよ明日ハロウィンですよ、ドキドキしますね。


今日まかろん、食後のデザートに
スーパーで買ったチルドデザートを食べました。
毎日パンプキンパイだのカボチャクッキーだの食べてて、
さすがに胃がもたれてきたもので。

で、あっさりめのを、と思って、えーと、
3種のベリーのムースとかなんとか、
というのを食べてたんですが、少し酸味を加えたくなって、
手持ちのブラッドオレンジシロップをかけてみました。

ビタミンCを身体が欲してるということかもしれないと思って、
一緒に飲んでたミックスジュースにもたっぷり入れました。

そしたら。

「淡雪(生クリーム)の園に飛び散る真っ赤
 の凝り(イチゴゼリー)はぷるぷると血の池に震え、
 何とも分からぬ物体(果物)が、流れるにまみれ、
恨めしそうに見上げてた・・・」

という、なんともホラーな状態に。

ぎゃー、と思って飲み物を見ると、そこには 
鮮血ジュースが。

ブラッドオレンジシロップ、すごい威力です。


さて、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その28

  タビィの身体は 形を失い
  意識は再び 元の小さな猫となった
  力をよこせと喚く 暗光の渦
  もみくちゃに されながら
  タビィは 見知った顔を見た

<つづき>

それは街で 牛の乳をくれてた人間たち
女や老人子供たちが 痛い怖いと喚いてた
どうして と女たちは怒っていた
どうして と老人たちは慄いていた
どうして と子供たちは泣いていた

いつもの 白い手の猫だと
笑って抱きあげてくれた 子供たち
一緒に行こうと 街を回ったランタンの夜
猫ちゃんの分も とお菓子をくれた人間たちと
それを渡してくれた子供たちの 笑顔

みんな いまはゆがんでた
生きてたかった死にたくなかった
変な光が どうしてどうして
まだしたいことがやりたいことが
まだ死ぬはずじゃなかったのに

どの光も わめき慄いて
タビィに 気づくものはなかった
当てどなく ただ飛び回り
だんだん 大きな七色の闇の渦に 
引きずり込まれていった  

待って とタビィは手を伸ばした
それは 白い片手だった
黒猫たちが さげすんだ手
なければ良いのに と憎んだ手
だけど 人間たちは笑ってくれた

タビィは 渦に向かう光の一つに飛びついた
どうしてと泣きわめく 子供の顔
タビィは 意識の舌でその顔をなめた
何故か つるんと冷たい感触ばかり
見えてる涙をなめ取ることは できなかった

ただ 影をなめてるようだったけど
タビィは 光に浮かぶ泣き顔を
何度も何度も なめ回した
泣かないで と意識で言った
あのときの笑顔を どうか見せて

<つづく>



人気ブログランキング ← あなたの笑顔を どうか見せて。
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 27

2013-10-29 21:28:49 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、変な天気ですね~?
皆さま、お元気ですか。


ハロウィン月もあと3日、ということで、
どうですか、皆さまハロウィン気分楽しんでいますか。

ハロウィンもだいぶ市民権を得てきたようで、
やっぱりあちこちで関連のものを目にしたりします。

今日、山手線に乗ったら、
次の駅とか表示するテレビみたいのがありますよね?
あれで天気予報も流してるんですが、
イラストが魔女の絵でした♪ やった☆

それは良いのですが、
問題はあちこちの店で関連グッズ(カボチャ!)やら
お菓子(パンプキン☆)やらを売ってることで・・・。

かなりヤバいです、
まかろんの財布と体重が。

だって、今だけ!と煽ってくるんですよ、卑怯ナリ・・・。


ま、それはともかく、
今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その27

  力をよこせ と光る球たちは言った
  力をよこせ と抜け出ようとする何かも言った
  無様にのたうつ ちっぽけな肉塊たちを余所に
  世界は 湧き立つ欲望の合唱となった
  もっと力をもっと力をもっと力を力を力を!

<つづき>

魔女たちはすでに 虫の息だった
南の魔女は ひゅーひゅーと
耳障りな音を たるんだ首から出していた
西の魔女は 色艶なくした白髪の間で
縮んだしわだらけの顔と身体を 痙攣させてた

北の魔女は 枯れ木のように転がっていた
恐怖に開いた目と口は 虚ろな洞窟のようだった
黒騎士の鎖帷子は むざんにちぎれ
ねじ曲がった身体に まとわりついてた
抜きかけの剣が 震える手からこぼれ落ちた

黒魔道士の目は 見えない何かに見開かれ
骸骨のような指を まだ徒に伸ばしてた
黒司祭の巨体は 綿のようにゆるみ
僧服の中で泳ぐ たるんだ身体は
急速に どす黒い斑点に覆われていった

蒼白い球の波は 怒涛となって
倒れるタビィたちを 呑みこんだ
彼らから抜け出かけてた 闇のこごりは 
冥い歓喜の声を上げ 宙に向かって
七本の 暗く輝く柱と変じた

柱はそれぞれ 色をもっていた
蒼白い球たちは 我先にと柱に飛び付き
あるいは 吸い寄せられ
柱はますます膨らみ つながった
不気味に七色に光る柱が 鋭く天地を突き刺した 

空は すっかり濁っていた 
雲が激流のように 流れる合間を
月が 弱々しい朱い光を投げていた
蒼白い光が 森から空の向こうから次々飛び込み 
柱はいっそう猛り うなりを上げた

魔女たちの身体は もう抜け殻だった
意識の核は 闇のこごりに引きずられ
吹き上げる暗光のどこかに 散っていた
タビィの中の魔女もまた 悲鳴を上げて
自分が殺した 猫たちの意識と共に裂かれていった

タビィの身体は 形を失い
意識は再び 元の小さな猫となった
力をよこせと喚く 暗光の渦
もみくちゃに されながら
タビィは 見知った顔を見た

<つづく>


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