極楽とんぼは風まかせ

東は東、西は西。交わることなき二つとはいえ、
広い太平洋、東の風が吹き、西の風が吹き・・・

フェイスブックと運命の赤い糸

2011年09月18日 | 今日の風の吹きまわし
日曜日。寝つきが悪くて、外が明るくなってやっとぐっすり眠れたのに、正午前にカレシに起こさ
れた。ワタシは「まだ寝ていた~い」オーラをばんばん出して抗議?したけど、カレシは「腹減っ
た~」。まあ、今日は丸1日分の仕事があるからしょうがないか、とぐずぐずとベッドから抜け出
したら、「せっかくよく寝ていたのに起こしてごめんな」と、いかにも取ってつけたように殊勝?っ
ぽい顔のカレシ。あ~あ、眠いんだけど・・・。

今日の朝食には「ポメロ」のウェッジが出てきた。カレシが英語教室の生徒さんからプレゼントさ
れて来たもので、グレープフルーツのお化けのような大きさ。秋になるとアジア系のスーパーな
どで山積みされていることが多いのは、9月の中秋節と関連しているらしい。そういえば満月の
ようなイメージでもある。食べてみたら思ったよりあっさりと甘かったけど、皮が分厚くてほとんど
果汁がないのでポメロジュースは無理そう。このポメロ、中国では「文旦」、日本では「ザボン」と
言うんだそうな。子供の頃に読んだ本に「ザボン」という言葉が出て来て、どうやら柑橘類らしい
ことは薄々理解できたものの、その変わった語感からどんな不思議な果物なのかと想像をたく
ましくしたけど、そっかぁ、なるほど、これがその「ザボン」か・・・。

Facebookで友だちが増えた。Friendはこれで16人。ほとんどが(拡大)家族のメンバーで、た
まにチェックする程度だけど、友だちや家族の近況がさっとわかっていい。Friendの中で一番
活発なのは劇作のガチャリアン先生と映画脚本口座のクラスメートだったダニカ。先生はフィリ
ピン系の若手劇作家でゲイの活動家、ダニカはその後カレッジで教えながら作家デビューした
才媛だから、どっちも交友関係は広いなんてもんじゃない。今までの「Friends」の他に「Close
Friends」と「Family」にもカテゴリ分けができるようになったおかげで、友だちと家族の方にズー
ムインしやすくなったから、チャットの使い方も勉強したら、ときどきリアルタイムで交流ができて
いいだろうなそうだな。10人いる「家族」の中で書き込みが一番活発なのはサンドラかな。

サンドラは甥のビルの4つ年上の姉さん女房。生まれはロンドン。「コクニー」と呼ばれるこてこ
ての下町っ子で、16歳で学校を出てから美容師ひと筋。何度か会ったお父さんは船乗りだった
そうで、コクニー訛り丸出しの実に愉快な人だった。日本の港に寄港したときの冒険談を話して
くれたけど、テレビでイギリスの下町コメディをよく見ていたので、うまく聞き取れて話が弾んだ。
(ちなみに、サンドラのお兄さんはプロサッカーのチェルシーの元選手で、カナダで女子サッカー
の監督をしたこともある。)サンドラが行っていた友だちのパーティに、ビルがマリファナがあると
聞いて招かれていないのに押しかけたのが2人の出会いで、最初は互いにそっぽを向いたらし
いけど、いつの間にか相思相愛になってもう20年を超えた。ビルはしっかり者のサンドラに頭が
上がらない、完ぺきなるかかあ天下。そのサンドラがすてきな言葉を書き込んでいた。

人生の苦難の数々を生き延びてきたすべての強き女性たちに!私が強いのはかって弱かっ
たことがあるからこそ。私が人に同情できるのは苦しみを味わったからこそ。私が今生きている
のは(生きるために)戦う人だからこそ。私が分別を持っているのはかって愚かなことをしたから
こそ。私が笑えるのは悲しみを知っているからこそ。私が愛せるのは失うことがどういうことかを
知っているからこそ。嵐をくぐり抜けて来て、それでもまだ雨の中で踊るのが大好きなあなたは
逞しい!


そういえば、学習障害児で十代の頃はちょっとぐれたこともあったビルがまじめな良き夫、良き
父親になり、40代に入って渋いイイ男になる片鱗さえ見せるようになったのは、サンドラという
良き伴侶に出会えたからに他ならない。大西洋を越えて、カナダとイギリスで太い「運命の赤い
糸」が張り渡されていたということか。この決して切れるはずのない赤い糸、恋愛観、結婚観の
変化を反映しているのか、太そうに見えて意外に切れやすかったり(百均ショップの安い糸だっ
たりして)、今にも切れそうに細く見えて実は何があっても決して切れない強いものだったりする。
まさに、男と女の「縁」というのは摩訶不思議としか言いようがないな。

3 コメント

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いい言葉ですねぇ~ (ウタ)
2011-09-19 14:47:06
サンドラさんの言葉、いいですねぇ~。私も、自分が他人に優しくできる(しようと思う)のは、やっぱり自分がつらい目に合ったからだと思います。痛みを知らない人は、他人にも冷酷になれますよね。

ポメロって、ああ、ブンタン、そしてザボンのことだったんですか??? ブンタンもザボンも知っていたけど、ポメロと同じものだとは思いませんでした。水分すくないけど、それはそれで結構おいしいですよねぇ~。
ほんとに (lyra)
2011-09-19 18:23:23
いろんなつらいことがあったからこそ、今の自分があるんだという宣言ですね。裏返せば、人生が良いことばかりだったら、弱いところは弱いまま、やさしくないところはやさしくないまま、分別もなく、心から笑うことを知らず、愛するとはどういうことかも知らないまま。一見してストレスがなくて恵まれた人生のようだけど、精神的には貧しいのかも。

人格を作るのは、人生経験の積み重ねなんですね。

サンドラは肝っ玉母さんのような人なんですよ。かかあ天下だけど、やんわり君臨していて、夫婦仲はむつまじいです。
心に響く言葉ですね。 (花猫)
2011-09-20 08:30:55
サンドラさんの書かれた言葉、本当に素敵で何度も読み返しました。UPして下さって、有難うございます。

いろんな経験を積むと、心に耐性がつくのか、多少の事はへっちゃらになりますよね。

で、それすら楽しんでしまえたり・・・

いろんな経験をするのは、決して「損」なわけでも「運が悪い」訳でもないのだなと実感します。

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