(写真は後刻掲載)
フィンランド国鉄で使用される鉄道車両は、大きく分けて長距離用車両(高速車両を含む)と通勤車両があり、長距離用車両は客車編成、高速車両はTGV(仏版新幹線)やICE1(独版新幹線)のように両端が機関車(プッシュプル式)の専用客車列車、通勤車両は電車です。電車には新旧のタイプがあり、いずれもヘルシンキ中央駅でよくみかけました。
旧式電車(6000系?)(写真上)は赤白のツートンカラー(一部、旧式塗装のものもあり)で片側2ドア(車端部ではなく中央よりにある。折り戸式で計4枚)、車内は全て固定式クロスシートです。ドア部分だけ車体が下に伸びた格好で、日本の旧式ディーゼル車を思い出させます。寒冷地だけあって通勤車両のドア部分にもデッキとデッキドアがあり、自動ドアも押しボタン式(開ボタンを押さないと開かない他、閉ボタンもある)で、車内の暖気が逃げないように配慮されています。無論、防寒のため、窓はほとんど開きません。前面は切妻型で、前面窓は3枚あり、うち中央の1枚の車内から列車運行系統を表示します(貫通扉はなし)。
新型車両(こちらも6000系?)(写真下)は同じく赤白の塗り分けながらデザインがより斬新になり、側面には行き先表示装置がつきます。車体構造としては両開きのプラグドアが片側2ヶ所あり、台車と台車の間の車体が低床になっているので(遠くからみると二階建て車両に見える)、ノンステップで車内まで乗降できます(旧式電車はドアのところにステップが2段ほどある)。窓は全面固定式で、車内の座席配置は固定クロスシート。前面は仏国鉄の新型列車のように流線型で、同じく貫通扉はありませんがこちらには運行系統に加えて行き先名も表示されます。
不思議なことに、新型車も含めて運転台には乗務員用ドアがなく、かわりに小型の窓とサイドミラーがありました。新車も旧車も基本的に2両編成で、通勤列車については2~3編成を増結して運用していました。
連結器は、新旧ともに独自の密着連結器で、欧州標準の鉤式ではありませんでした。
(その2に続く)