マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 




(写真)シルバーラインの入り口付近の国道。

 週末を利用して、新潟県魚沼市にある県道「奥只見シルバーライン」に行ってきました。

 新潟県道50号小出奥只見線という正式名称を持つ「奥只見シルバーライン」。関越自動車道を練馬から約200キロ北上した小出インターチェンジ付近からはじまるこの県道(主要地方道に指定)、旧北魚沼郡小出町付近は一見何の変哲も無い道路に見えるのですが、大湯温泉手前の上折立(旧北魚沼郡湯之谷村)で急に左折。料金所跡を抜けてしばらく走ると、大小の狭いトンネルに突入。終点の奥只見ダムまでの22.6キロのうち、なんと18.1キロがトンネル区間(大小19本のトンネルが連続)になっています。

 実はこの「シルバーライン」、かつて電源開発株式会社(電発)が奥只見ダムを建設する際、資材の搬入のために1957年に建設したもので、地図で確認すると、はじめの数キロを除いてトンネルは(他のダム管理用トンネルがそうであるように)ほとんど直線で構成され、上折立から銀山平(奥只見湖南西岸。シルバーラインからはトンネル内で道路が分岐)までを枝折峠を越えて結ぶ国道352号線が、国道なのに狭く屈曲しているのとは対照的です(ちなみに国道352号線は、1990年代までは未舗装で、しかも道幅が狭いため時間帯ごとに一方通行扱いになっていました。)。日本一背が高い重力式コンコリートダムである奥只見ダムとその水力発電所(出力56万キロワット)が1960年に完成した後、道路は引き続きダム管理用として電発が管理していましたが、1969年に新潟県に譲渡され、1971年から有料道路(一般県道)として一般の通行に開放。1977年には無料化され、その後主要地方道に昇格しています(現在でも、上折立側の入り口には料金所が残されており、道路が閉鎖される際の障害物の役割を果たしています。)。なお、「シルバーライン」の愛称がついているのはこの旧有料道路区間で、県道50号線自体はそのまま奥只見ダムから少しだけ北上しています。付近は名だたる豪雪地帯で、それ故にこそ冬でも通行可能な長大トンネルの道路が建設された訳ですが、現在では1月から3月は通行止めとなっており(もちろん、この期間は、地表を走る国352号線も通行止め)、この期間は奥只見ダムや周辺のスキー場(奥只見観光(株)が運営)にはアクセスできなくなります。

 

(写真)道の駅「深雪の里」

(写真)道の駅で食べた昼食。この内容で1000円!

 さて、「シルバーライン」訪問当日ですが、午前11時過ぎに小出インターチェンジ付近の道の駅「深雪の里」(なお、食堂は昼食のみの営業)で早めの昼食(コシヒカリを使った定食が安くて美味!)をとり(ちなみに、4月の段階では「シルバーライン」終点の奥只見ダム付近の土産物店等は閉鎖されたままで、食事は「シルバーライン」手前でとっておく必要があります。)、正午過ぎには小出を出発。15分ほど走って「シルバーライン」入り口に到達し、古びたコンクリートの料金所跡を通過しました。

(写真)シルバーラインの料金所跡。

(写真)料金所に掲げられた看板。

 料金所跡があるあたり、この道路が単なる県道ではない特別なものであることを物語っている訳ですが、実際にも料金所には「シルバーライントンネル多し 狭幅員!急カーブ!急勾配! 事故多発!対向車に注意! 小出警察署・魚沼地域振興局」という脅し文句満載の標識が設置され、スリップしやすいといういので二輪車、バイクは終日通行禁止。しかもこの時期は夜間通行止めで、雪解けで開通したといっても一日のうち半分しか通行できません(冬季に通行する際は、事前に奥只見観光(株)に電話して、スノータイヤが必要か等について情報収集したほうがよいでしょう。)。

(写真)シルバーラインの初めの区間。まだトンネルは短い。

(写真)シルバーラインのはじめの区間は、このような普通の県道。

 期待を高めながら料金所を潜り、いよいよ「シルバーライン」に突入。といっても、はじめの数キロは、明かり区間とトンネルが交互に現れる普通の道路で、変化といえば徐々に残雪が多くなってくる(3月に冬季通行止めが解除されて以降の道路上の残雪については、「奥只見観光」に電話で問い合わせれば親切に教えてくれます。)ぐらい(=高度が徐々に高くなってくる)です。但し、ひとつ一つのトンネルが短いのに、トンネル内の照明が同じ数しか設置されていないのと、この時期外には残雪があって太陽光をよく反射するのとで、トンネル突入直後の目の暗順応に若干苦労させられます(トンネルに入った瞬間は前が見えない!)。

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