翻訳家の岸本佐知子さん、
作家の三浦しをんさん、吉田篤弘さん、吉田浩美さん、
4人の『罪と罰』未読者による前代未聞の「読まない」読書会。
ドストエフスキーの『罪と罰』と言えば、誰もがそのタイトルを聞いたことのある名作。
ところが、実際読んだことがあるか?と聞かれると、手を挙げる人は意外と少ないのでは…
あまりにも有名なので、どこかしらで見聞きした中途半端な知識だけは持っていて、
何となくこんな感じの話でしょ?タイトルからして暗そうよね?みたいな。
4名がそんな感じの状態で、『罪と罰』がどんな話なのかを推理していくというスタイル。
完全にノーヒントなわけではなく、最初と最後のページは読めるし、
それぞれの章から数ページは選んで読んでもらえるというヒントもあり。
とにかく4名の推理が対話形式で進んでいくので、
自分もそこに参加しているかのような感覚で読めてしまう!
ただそこは物書きを生業にされている皆さんなので、
凡人の私なんぞが思いもつかない見事な推理を披露してくれるのです(笑)
「この話めっちゃ読んでみたい」と思っちゃう。
(そう思ってくれたら、というのがこの本の目的の一つでもあるのですが)
ある程度推理を終えた段階で、実際に読んでみる。
読後の読書会も。
だいたいは予想通りのところだった部分もありーの、
まったくかすりもしなかった登場人物が実は超重要人物だったということもありーの、
それをワイワイと語り合っている4名を想像するだけで楽しい。
「読む」ということはどういうことなのか、
三浦しをんさんによる最後の数ページで考えさせられます。
本屋で実際に装丁を眺め、手に取り、「これってどんな話なんだろう?」と
期待に胸を膨らませる瞬間から私は読んでいるんだ!と気付かされた一冊となりました。
それと、ドストの凄さも分かったような!笑
私は『罪と罰』を5年ほど前に読んだことがあるので、
読んだ者の視点でこの本を読んだのだけれど、改めて読み返したくなった。
ついでに言うと、私の記憶もヤバかった(笑)
だいたいのストーリーは覚えているんだけど、如何せん、ロシア人の名前長すぎ問題と、
無駄に(無駄じゃないのか?)長いセリフ、細かいところはすっかり忘れておりまして、
ひどいところではストーリーもねつ造しちゃっていた!
つーことで、本棚から文庫本を取り出してきたので、ぽちぽちと読み返してみようかな。
私が持っていたのは新潮文庫版だけど、他の訳でも読んでみたら発見があるかもね。
また、これを機に、ドストの別の本も読んでみようかな?という気になった。
『カラマーゾフの兄弟』とか、こちらも有名だけど読んだことない。
カラマーゾフ家?それともカラマーゾフって地名?兄弟は何人なの???
まずは「一人読まない読書会」をしてから、実際に本を読んでみようかな?と思います(笑)
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